リゾートエリア


理想を薄く延ばしてレジャーシートに
三人でするピクニック
本当はマーメイドも来るはずだった
DCという抽象概念は病んでいる
日射しが徐々に我々を食い潰し
アクアリウムに書き込む種別
絶滅を危惧されていない残党
丘の上、浸食される冷凍炒飯

きみはどうして助詞を省くのか、と訊く
意味は分かっても神経が痛む
ライン上でうずくまる紙風船
それいいわたしすき、ときみは言う
ごめん、勝手に翻訳をしていた
グーでなければ殴っていいよ
やりとりに長考して二時間消費
夕飯は外食にするしかない

焙煎もそこそこにエアポンプを切る
「人魚でいいの」と彼女は恐縮
互換性のあるプラグを刺すと動く
茶色い飲み物をマーメイドに与える
だってマゾなんだから仕方ない
言語化を拒否する長男は存在しない三人目
初めてきみの前髪を見る
延長コードで綴る、望みのないダイアリー

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