老いた燕の行方

あの子達、将来はみんな巨人なのよ
女が指さす方角は天空とあまり誤差がない
怒涛の鎮痛剤責めは無効の旗を掲げる
醜さの中に紡ぎ出す曖昧という記憶は
きっと昨日の水槽の割れ目に押し込まれた
喧騒から遠く街には近く密かに起きる事故
不慮の事故の意味を知っているかと確かめる

自分バカなんですみません
という言い訳を完全スルーして怒る
自分を本気でバカだと言うわけはない
賞味期限を一日過ぎたケーキを味わいながら
痛覚の販売価格をあれこれと考慮する
西日が確かな原子核はコーヒーに溶けていた
サヨナラに本来の意味などないから勝手にしやがれ
さて病に帰るか

それ、吉祥寺じゃないしどこでもない
わざわざ断りを入れて試合が始まる
源泉徴収はすでにされていて項垂れる
なんでも表現にしたい群衆の行く手には
おそらく高い消費税を取る役人がいる
水音も何によるかで魚類の好き嫌いが分かれる
いつ割れるか不安なガラスの靴を靴箱に仕舞う

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