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ひとりぼっちの大惑星

「来年の事を言えば鬼が笑う」ということわざがありますが、具体的にどの辺りなら鬼が笑わないかと考えたりもします。
年末ならきっと笑わないでしょう。

ぼっち・ざ・ろっく!のアニメ、完結しましたね。
構成がすんばらしい。
アルバムも発売されてどの曲も芋掘りしがいがあるなと思いました。
正月は芋掘り大会に決定。

「ぼっち・ざ・ろっく!、きらら作品らしくないね」

はにゃ?きらら作品のなにを知ってるの?と思わないこともなかったです。

そんな声が聴こえるくらいたくさんの人に届いていたかと思うと香ばしくて喜ばしい。

いけないですね。
苦味のあるかぼちゃが顔を出しました。

なにより後藤ひとりが青山吉能さんでよかった。

ぼっちちゃんの良いところは
自分はそう思うから相手もそう思うかもしれない、迷惑かもしれないと考えてしまうところ。

日々、たくさんの「かもしれない運転」をしてきた陰キャの心は想像で自意識がすくすく育って大惑星になる。

人に触れてこなかったから、
近付きたいけど近付けないハリネズミの心を持っている。

自分の形が自分の中では曖昧で、それらしい一般論もよくわからない。

思わず「大丈夫だよ」って声をかけたくなるようなキャラクターが共感を呼んだと思います。

たくさんたくさん空回りしても僕はきっと笑わない。本気の覚悟を感じるから。


考えを行動に移せる。
表に出てる陽キャのウルトラスーパードライビングテクの方が目に付きやすく、評価されやすいかもしれない。

陰キャの他人を傷付けず、事故なく目的地に着くことも大切。
それが気付ける人でいたいと思う。
見えにくくても確かにそれは存在しているから。

彼女にとっては毎日6時間のギター練習は「普通」かもしれないけど、それはスゴいこと。

作詞もあのぼっちちゃんがやってたのがいいですね。内に芯がありました。

孤独を、ひとりを知っている人間が本当の意味で寄り添うことができると思う。

そして同時にこうも思う。
人類みな、もっともっと勘違いしてほしいって。

勘違いすべきだという理屈を披露します。

ウサイン・ボルトという陸上の選手がいる。
人の足で最速で走り抜けるという短距離走コンマの世界。
明確に数字で勝敗が出る中で2008,2012年のオリンピック連覇。紛れもなく人類最速の男。ここからが驚きポイントで
閉ざされた村で育ち、自分より足のはやい奴がいるという。

教訓として思うのは
競技に参加していないだけで本当にスゴいやつはゴロゴロいるということ。

だから誰それより良いとか悪いとか心配しなくていいということ。

みんな大したことないし、大したことある。
高々と伸びてしまいそうになる鼻にはひとつまみの謙虚さがあれば大丈夫でしょう。

自分に向き合ってほしい。
誰かの望む「誰か」になる必要はない。
しっかり自分を演じてほしい。

数字で計れない表現という分野ならなおさら。
可能性に挑戦してほしい。
ついでに言うと自分探しにインドに行かなくていい。

遠くて近くにきっと答えはあるでしょう。

斜に構えるまでもなく流行に疎い僕の中にある「あのバンド」といえばスピッツ。

世界を敵に回すでも背中を押すわけでもない。
ちょうどよい距離で寄り添う詞が好きで10年以上の付き合い。
今でもたまに歌詞カードを触ってる。


午前二時の踏切、天体観測。

昨日と呼ぶにはうんと遠くて、明日と呼ぶには少し早いその時間が、たまらなく『今』と『自分』を実感させてくれる。

自分ではない誰かになるには一生は長くて短かすぎる。

すっかり気に当てられてしまいました。
ギターと孤独と蒼い惑星に。

来年は来年の風が吹くけど
根っ子の部分はきっと変わらない。


近いところでわかるのは年越しにはきららジャンプをしているということ。


僕は君を笑わない。
君は僕を笑わない。

そんな君に運命の女神は笑ってほしい。


僕に朝が降る。

終わります。(文・かぼちゃ)



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後半に話が勝手に転がるにつれてだいぶポエミーで手直ししようかとも思いましたが、そのままにしました。ロックにポエムはつきものでしょう。知らんけど。


ここまで見てくれたあなたには先日note公式に注目記事として取り上げていただいたこちらをオススメします。ピングーが世界に見つかったらしい。
真面目に書きました。

まぁ僕の文章なんてプランクトン。
全然前座でいいんです。

毎月2回絶賛連載中のコラム、青山吉能さんによるみずいろプレイスを是非ご覧ください!



もうチェックしてた?
そりゃよかった。
よいお年を。

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