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15. SWOTでレッドオーシャンをブルーオーシャンに変えた日

前回、3CやSWOTの分析のお話をしました。
今回は、少しだけ番外編としてオンラインレッスンとは違うお話をしたいと思っています。

SWOTを行い戦略を立てたところ、それがうまくハマって大成功したお話。

超レッドオーシャンのホームページ制作サービス

2018年の話ですが、私はオンライン英会話サービスの運営や、オンラインレッスン予約システムの販売を続けながら、新しいプロジェクトに加わることとなりました。

プロジェクトメンバーは、実質、コンサルティング営業を行う営業マネージャーと私の2人のみ。
そして、私たちチームに課されたミッションは、新規事業として「ホームページ制作」のサービスを立ち上げるというもの。

ホームページ制作というと、超が付くほどのレッドオーシャン市場です。
どう考えても無理難題なミッションなのですが、2018年このホームページ制作事業は初年度にて年間1億円を超える売上を上げることに成功しました。

これも全てのスタートは、ホワイトボードに描いたSWOT分析からでした。

戦略によってレッドオーシャンをブルーオーシャンに変える

「ホームページ制作」

この日本中にどれだけホームページ制作の競合他社がいるでしょうか?
制作会社は日本中に山のように溢れていますし、ランサーズやクラウドワークスを見に行けば、個人のホームページ制作者が数多く登録しています。

ペライチやWIXなどの自分たちで作れるホームページのCMSもあるし、近年では会社でホームページを内製することも珍しくありません。

2人というリソースで、自社のホームページ制作の強みも見えぬままのスタートです。
さすがに2人とも頭を抱えました。
お互い、現状の仕事も抱えながらの新規事業なので、時間も限られている状況です。

お互い、最初はあまり重たい雰囲気で話をしていましたが良い案も浮かばないため、意を決してホワイトボードに十時の線を引きました。

S、W、O、T

4文字をそこに書き、2人で項目を埋めていくことにしました。

Sの強みの部分にまず、私とマネージャーの得意な分野である「デザイン」「SEO」「ウェブ解析」「ウェブコンサルティング」と記入していきます。

ホームページ制作をしながら、サイトの分析や集客施策(SEOや広告)、それにコンサルも出来るっていうのはあまり他社ではないかもしれないですね。」

「ホームページの営業時にサイトの分析をさせてもらい、コンサル的な立ち位置からホームページ制作を進めるとか面白いかもしれないですね。」

そんな議論を続けていきます。

ただ、Wの弱みの部分や、OやTの市場の部分を見るとなかなか厳しい現実が目に入ってきます。

Wを見ると「自分たちの会社での制作実績が少ない」「制作体制も乏しいし、2人とも別のサービスを持っており忙しい」

Tにおいては、「全国各地に15,000社の制作会社がある」「フリーランスやCMSの登場で制作が低価格化している」とか、なかなかシビアです。

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とりあえず、最初に考えた案としては、

ウェブコンサルタントが監修の戦略型ホームページ制作パッケージ

営業するお客様のホームページに対し、無料でウェブ解析を実施して課題点を見つけ、それを解決するためのホームページ制作を行います。
更に、制作後はSEO対策コンサルティングをワンストップで行うことで、作成したホームページをお問い合わせ向上売上向上に繋げます。

う〜ん、弱い・・・。
まだコレだけでは、勝てそうな気がしないし、ここまで丁寧に対応しようとすれば、制作費も高くなってしまいます。

〜ちょっと休憩〜

もう少しここは、根本的に強みを見直さないといけない。
主観ではなく、客観的に、私たちはこれまで関わってきたお客様にどういう風にみられているのか?

Sにキーワードを追加していきます。
これは、私たちの強みではなく、弊社の強みです。

「全国1000社以上の販売パートナー」「補助金・助成金のコンサルティング」「ライティングやコンテンツ制作が得意」「営業が強い」「毎月セミナーを数十本行っている」etc…

2人とも顔を見合わせました。
ひょっとしたら、これって勝つチャンスあるんじゃないのか?

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コンサルタント監修の戦略型ホームページのコンセプトはそのままに、サービスの品質を重視しつつも、価格が上がってしまう部分は補助金・助成金をかけ合わせて提案することで、お客様の負担を削減する。

そして、2人という限られたリソースで最大限の成果を出すのであれば、新規で一からウェブマーケティングで集客するのではなく、これまで弊社で構築してきた全国の販売パートナーさん達と協力してホームページを売っていく。

最終的に、ホームページ制作のパッケージ内容も今後の販売の方法も、どこの会社とも競合しないユニークな形に収まりました。
2人ともぐったりしながらも、少しの希望を感じながら、会議室から退出しました。

戦略に沿った戦術を淡々とこなしていく日々

それから1年の間、ものすごく色々なことがありました。

販売パートナーさんにホームページの制作パッケージを知ってもらうために、私が毎週メルマガを書いて送り、月に最低でも2本はホームページ制作と補助金の最新情報をセットにしたセミナーを開催

マネージャーは全国各地に飛んで、その地域のパートナーさんを集めてセミナー巡業もやりました。

そこから、ポツポツと案件が入り始め、納品させていただいたものから、制作事例として活用させていただくよう交渉しポートフォリオを作成
作成したポートフォリオと一緒に社内勉強会を行い社内の営業マンに私たちがやっている制作内容とお客様の声を共有します。
それによって、営業マンがホームページ制作の紹介もしてくれるようにもなりました。

補助金情報に関しても公的支援制度のコンサルティングを行う部署のマネージャーに相談し、情報の収集とマニュアルの読み込みを徹底。
どんな質問にも返答できるようにまで準備しました。

そこから補助金の申請と、ホームページ制作の依頼がどんどん入り始めました。

気づくと、既に2人では抱えきれない量の案件が目の前にあり、それを少しでも捌けるように、急いで案件を回してくれるディレクターを追加し、制作を協力してくれる制作パートナーを増やしていきました。
私もマネージャーも毎日、深夜まで仕事をし、眠る時間もロクに取らずに限界ギリギリのところで仕事を続けていました。

結果、一年で受注したホームページは150件以上、売上で年間約1億1000万、粗利益で約3500万といった大成功を収めました。
2人とも本当にキツい一年でしたが、結果を出せたことに喜び、祝杯をあげました。

レッドオーシャンはやり方次第でいくらでもブルーオーシャンになる

ここで学んだことは非常に大きく、いくら競合が多い市場であってもやり方次第ではまだまだ勝てる方法があるということ。

その方法を見つけるためには、自分たちの今持っている「リソース」に、とにかく目を向けることだと思っています。

これはオンライン英会話サービスの運営やレッスン予約システムの販売にも非常にプラスになる発見で、リソースに目を向けることで、競合他社にない自分たちの強みは、幾らでも見つかることがわかりました。

そこに注力をして強みをさらに伸ばしていくことで、競合他社は競合他社ではなくなります

これを読んで、これは御社だから出来たんでしょ?
と思う方もいらっしゃると思います。

それは、間違いないです。
今回の話は弊社だから出来たことです。
ただ、それを見つけるということが大事なんだと思っています。

自分たちの強みは何か?
それを具体的に発見するための例を、次の記事でしてみたいと思います。
強みを考える上でリソースについてのお話。

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