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2019年9月 King Gnu / 飛行艇

 この人達、絶対に天下獲りにいってると思う。頭良い人がしたたかに、しなやかにやるように。以前この連載で、このバンドはドーム公演ができるバンドだ、という旨の想いを書いたが、その言葉が信憑性を帯びてきたように感じる。King Gnuの新曲「飛行艇」は、イントロから観客の歓声とスタジアムロックよろしくなギターリフ、サビでは”命揺らせ 命揺らせ”というアジテーションと盛大なコーラスワーク。全編に渡ってバンドのグルーヴがもうギュンギュンしてる。余談だが、中盤手前くらいのサビ→2Aメロに行く間のギターなんか、全力でRAGE AGAINST THE MACHINEですよ。いやー、実に器用だし隙がないし、もはや怖いです。

 「Prayer X」や「The hole」のような荘厳なバラードで、悲しいメロディメイクをしたかと思えば「白日」ではもはやプログレばりのジャンル横断で、こちらも素晴らしいメロディメイクをする。「Slumberland」「Vinyl」ではファンクに対して様々なアプローチをしたり、もうジャンルなんてよくわからない。こういう音の持ち玉をたくさん持ってる人達で、色気があって、かつ、スケールが大きな音を出せる人たちこそ、大きなドームやスタジアムでドーン!とやってもらいたい。

 「飛行艇」に話を戻すと、この曲の配信が8/9で、ライジングロックフェスへの出演(中止になってしまったが)が8/16、Summer Sonicへの出演が8/18っていう所に、完全にフェスの会場揺らす曲持ってきたなー、と関心してしまう。こういうのはもうあからさまにやってもらっていい。色気のあるロックスター不在の時代にあって、彼らの存在は非常に貴重だし、こういう人達のしたたかな仕掛けには全力で乗っかって行きたい。まさに歌詞にある”この風に飛び乗って 今夜台風の目となって”る彼らを全力で応援したい。

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