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Invisible tail

空白を埋めるために。
星を墜として。
繋ぎ止めた意地を。
何の気なく手放した。

呼び続けた未来は。
少しの後ろめたさとともに。
ずっと向こう側で息をしていた。
誰のためにかは言わないで。

そんなに深刻なことではない。
ただ気づいてほしい。
当たり前になった諦めと。
いつまでも消えない焦りに。

酔うことも眠ることも。
救いではなく呪いになる。
醒めれば檻の冷たさが。
薄い頰によく馴染む。

与えられた言い訳は。
使えずに全部しまいこんだ。
何が本望かなんて知りたくもない。
拒むことで自分を保つ。

どうして思い出すのだろう。
もう顔もわからない。
声も聞こえない。
心さえ動かない。

呼吸するだけで満たされるなら。
わたしがわたしである必要はなくて。
あげられるのならあげたいけれど。
たぶん本当は嫌だからまだここにいる。

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