アンティーク 神は細部に宿る
「すごい眺めだな」
高層階のマンションのリビングから見える景色は、遮るものもなく、外国らしい色彩と形状の建物を見下ろせた。
ハリケーンほどではないが強めの暴風雨のせいで昼間なのに薄暗く、時折強い雨風が窓ガラスを叩く音が聞こえた。
それもまた非日常感があって、異国にいる気分を盛り上げていた。
招かれたばかりだというのに、つい友人を放って窓に張り付くように立って外を眺めていた。
「いい加減こっちに来いよ」
亮介が人に命令するような物言いをするのは珍しかった。
振り返ると、右