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#82 書いてみよう、手紙を【書評】ベゾスレター

◾️はじめに

第3週は企業。何回目かわからないけど、Amazon。
今回は創業者が株主に出している手紙をまとめ、彼の考えに迫るベゾスレターです。

◾️要約

Amazonの考え方はリーダーシップの14か条としてまとまっており、一言でいえばday1であるということ。常に事業を始めたときのお客様へのこだわりを持ち続け、衰退を避ける。意図を持って実験を行い、勝ち筋として構築し、拡大させ続ける。トップクラスの人のみ採用し、day1でい続けている。

◾️感想

常にday1でいるということ。変わらないことが大切。けど実践はとても難しい。
世の中が変わっていく中で、組織として変わらないことと変わるべきことがある。
顧客にこだわることは変わらない、事業内容は変わっていく。
強烈なリーダーシップで持って巨大企業をなした人の手紙。
それは彼の話を聞いているようなもの。(帯通り)

◾️要約(詳細)

【成長サイクル:実験】
◆第1条 「いい失敗」を促す
新しいことに挑戦しないと未来はない。
そして失敗から学ぶことが大切。
いい失敗を数多くしたからこそ今のAmazonがある。

※失敗は成功の母。

◆第2条 大きなアイデアに賭ける
マーケットプレイス、Amazonプライム、AWS。
3つすべて大きな賭けであり、それに勝った(事業として成功)。
そこには過去の失敗を活かしつつ、最初は規模を小さくし、勝ち筋を見極め一気にいく。
厳しい基準に合致するもののみを選び、良いものにしていく。信念を持って対応する。

※次は何に賭ける?はじめは皆笑うんだ、そんなものがうまくいくはずがないと。

◆第3条 ダイナミックな発明や革新を実践する
権限をあたえ、それが致命傷にならないことも伝える。
実験が必須であり、数字で振り返って計測する。
それが大切だとAmazonは知っている。

※チャレンジをしたことがある人間は、それと同じレベルのチャレンジが致命傷になるかならないかわかるよね。経験しているから。ここまでは大丈夫、的な。

【成長サイクル:構築】
◆第4条 顧客にこだわる
満足させる、中心に考える、ではなくこだわる。驚きを与える。最高にこだわる。
その考えで、顧客が不満になることを未然に防ぐ。トラブル自体を発生させないようにする。
それはある意味売上を減らすものかもしれないがそんなものは気にしない。
お客様のロイヤリティで多くの利益を得ているから。

※1つの小さなケアで、凋落していくサービスがある一方、1つの小さなケアで、その後の爆発的ヒットにつながることがある。そいつをわかってなきゃ、食われるぞ。

◆第5条 長期的な考え方を採用する
大木に育つ日まで自分が生きられないことを分かっていてもどんぐりの実を植えること。
短期的のみではなく長期的に成果が出るしくみをつくる。

※この考え方いいよね。別の本でもあった”七世代後のことを考える”的な発想。サステナブル。

◆第6条 自分の「弾み車」を理解する
自分の事業にあった具体的な目標を頭におくこと。
自社の目標を定め、そのために何をすればそれが加速されるか、どんな構造かを明らかにする。
それが弾み車であり、それが理解できれば、それに沿って(弾み車を回すかどうかで)意思決定をしていけば飛躍的な成長を遂げることができる。
Amazonにとって中心は成長であり、6つの領域で弾み車が回る。

※何が弾み車になるのか見極めなくては。頑張って押した結果、もう誰にも止められない。

【成長サイクル:加速】
◆第7条 決定は迅速に行う
後戻りできない1型と取り返せる2型に分け、2型は権限委譲することで決定の早さを保つ。
異議は唱えても決定には従う。

※これ耳が痛いですね。結局何でもかんでも上に報告しないと決められないから。(責任を取れないから上に報告しておく、のが癖に)

◆第8条 複雑なことは単純化する
単純化することでみえてくるものがある。
単純化した先に新しい体験が生まれる。
それを生み出すことは魔法と周りからみられる。

※勝手に補足。複雑なことを単純化するということは見たくないものや面倒なことを乱暴に消してしまえ、ということではなく、本質を突き詰めるとsimpleになる、という方が近いと。

◆第9条 テクノロジーで時間を短縮する
一昔前なら時間も金もかかっていたことがテクノロジーによってすぐに誰でもできるようになっている。
なので会社としてもその流れに乗る。

※昔を思い出して(経験しているしていないに関わらず)みよう。電話だって電話機のところへ行いかないと、パソコンでの計算だって大学に行かないと、仕事だって会社行かないとできなかった。それをとっぱらったのはテクノロジー。

◆第10条 所有者意識を持たせる
ストックオプションや意思決定権など所有者意識を持たせ、株主、従業員ともに長期的な視点で物事を考えることができるようにする。
能力のある従業員を雇い、彼らに能力を発揮させることが会社としての成長につながるから。

※自尊心、裁量、やりがい。Aクラスの人はAクラスの人と仕事することを望む。なろうぜAクラス。

【成長サイクル:規模の拡大】
◆第11条 企業文化を守る
常に1日目の意識を企業全体に浸透させる。ドアデスクなどのエピソードも含め繰り返し伝える。

※昔はこうだったんだと、年配の方が言うのを無下に扱わない。そこには伝えておきたい何かがあるから。言う方も何が伝えたいのか本質を意識する。(前は良かったと)愚痴にしない。

◆第12条 高水準を重視する
採用するのは常にトップクラスの人。
一流は一流と働きたがりその環境で最高のパフォーマンスが出せる

※提供するものが高品質なら、そこにいる人は高度な人でしょ。(ここに普通の人でも品質を上げようとするボトムアップの考え方、標準化の考え方とのギャップがある)

◆第13条 重要な項目を計測し、計測項目を疑い、自分の直感を信じる
何が重要かを見極めそこに注力する。
他の組織の指標値を鵜呑みにせず、直感で戦う必要がある。
顧客へのこだわりに繋がる直感を信じて行動する。

※ロジックと直感。突き詰めた先に最後はエイヤ。しかし、決めたら後腐れなく。

◆第14条 常に1日目だと信じる
2日目になると衰退がはじまり、やがて死に至る。
そうならないため、常に1日目の意識で行動する。
行動できるよう仕組みや制度を整える。
規模が大きくなると動きが遅くなるのが一般的だがAmazonはそれに抗い、成長し続けている。

※中間管理、コストセンターの肥大化、全ては二日目から始まっている。

◾️アクション

自分のサービスのはずみ車を考える。(前も言ったな。。。)

◾️読みやすさ

★★

◾️ハッシュタグ

#ベゾスレター
#株主への手紙

#Amazon

#弾み車

#ビジネス書


◾️読んだ自分が自分と会話


「今日はね、この本についての話をしたいんだ」
「どうぞどうぞ」
「この本なんだけど株主への手紙をまとめたものなんだ。それを再構築してAmazonの凄さを語っているという」
「ふーん」
「で、この手紙ってところがなんかいいなと」
「”おつ”だよね」
「事業計画の発表や決算報告、イベントなどのプレゼンテーションで経営者が語られるってことあるじゃない?」
「ゴーンさんやジョブズさんね」
「うん、けどベゾスはレターなの」
「そこには演出や抑揚、空気感はないんだ」
「そだね」
「ただ文字で表現されているんだけど、その内容が数年先を見据えてて、何年か前から言ってたことがこれかぁ、ってなるという」
「うん」
「なんかまずはそこが印象に残りました。しかも株主に向けてって」
「うまくコミュニケーションしているよね」
「そう、そして今の利益主義、短期的な価値観から脱却したいと言うことも含めている」
「妙手なんだね」
「っていう手紙、という点がまず話したかった」
「まだあるの?」
「うん、、、3つ」
「え、手短にね」
「1つ目。意思決定には2種類あって、一回決めると戻れないタイプAと何回でもやり直せるタイプBが存在するという話。そしてそれらに応じた意思決定プロセスを適用するべき、という話」
「いろんな本に書いてあるよね。なんで印象に残ったの」
「これやっぱそうだよな、と実感するから。会社の実施要領とかにも金額に応じて、とか書いてあるけど、額が小さくても新しいものは上のレイヤーにあげなくてはならない、とか結局ほとんど上に伺う、そしてそのプロセスは変わらない。」
「プロセスって様式とかフォーマットとかね」
「承認権者が違うってだけでやってること同じなんだよね。」
「10階まで階段上がるか、9階まで階段上がるか、くらいしか違わないという。」
「ベゾスはそうじゃなくて階段を上がって承認もらうものと今のフロアから外にいっていいよ、というプロセスにしなさいと言っていると理解しました。」
「なるほど」
「そうしないと外に出たがらない、実験をしないと言っている。正しくそこが共感したのでこれを言いたかった」
「・・・良かったね。」
「はい、もう1つ。これもよくあるAクラスはAクラスと仕事したがる、Aクラスのみを集めることで素晴らしいものが生まれる、という採用方針」
「はい、AppleやGoogleの本でも同じような考え方がされているね」
「これさ、気づいたんだけど、日本の企業ってそうじゃなくない?特に歴史ある大企業って」
「どういうこと?」
「なんつーか、(日本だけじゃないのかもですが)工場とか生産ラインを考えると唯一無二を少人数で、というより誰でも、繰り返しそれができることを望み、そのやり方を考える、というか」
「うーん、もうちょっと言ってくれないとわかんない」
「少人数で精鋭で開始したとしても、拡大期に周りのレベルを落としてやってもらう、企画をして、生産については標準化して広げていく、ということあるじゃない?」
「うん。」
「もしくは1つの成功ができたら、それを振り返り、どういうプロセスややり方をやればそれに同等の発明やイノベーションが生まれるかを考えていると思うんだ」
「それとAクラスがどう関係するのよ」
「いやだから片や天才のみ集めてそこからイノベーションを生み出す(GAFA:Aクラスの人のみを採用する)、片や凡人でもイノベーションが生み出せる方法を考えているな(一般的な日本企業:Aクラスの人もいればBやCクラスの人もいる。その中でいかにAによってBを引っ張ってもらってイノベーションできないかと考える、だからやり方、プロセスが大切と考える)、と」
「ふーむ。それはそうかも」
「なんか和をもって尊し、ではないけどみんなで、と考えていたなぁーと。そんなんじゃなく(自分がまずAクラスになる必要あるけど)Aクラスを集めてその中でさらにすごいものを生み出させていくことで望むことを達成できる、って考えるのとではだいぶ隔たりがあるなーと。」
「競争って中ではリードされちゃうかもね。」
「けどオイラはそういった人だって役割はあるんだ、意味はあるんだって信じたい!」
「なんだなんだ、その急な変わりようは」
「渕さんにしかかけられない橋もある!(キングダムの話です。念の為)」
「はいはい。」
「最後はテクノロジーを使っていこうという話。」
「これはもう当たり前だよね。」
「そう。改めてですが、テクノロジーってすごい。今の当たり前が未来じゃあり得ないになる。逆か、今あり得ないことが未来じゃ普通になる。」
「そっちの方がしっくりくるね」
「まあしかもそれをAWS(クラウドによるサーバ提供)を普通にさせたAmazonのトップ(当時)がいうという。」
「テクノロジー会社として認められたかったんだよね、ベゾスは。ECのレコメンド、ロジスティックスでかなりのレベルになってはいてもそれまではアマゾンは流通の企業とみなされてた。それがAWSで一気にテクノロジーの会社として認められたもんね。」
「うん、けどほんとにサーバを買って、その上にアプリ作ってwebで提供して、が当たり前だったのがちょっと昔で、今やクラウド上にさささっとスマホアプリ作れちゃうという。。。本当にこの凄さを体で実感しているつもりなんだがそれを示す言葉が凄いしか知らない自分がくぅ〜って感じ」
「最後何いってんのかわからないけど、まあ本当にすごいよね。」
「はい、そんなこんな、色々考えさせられる本でした。」
「急にまとめたな。」

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