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#34 世界は一色に染まらない。【書評】アマゾンが描く2022の世界 すべての業界を震撼させるベゾスの大戦略

◾️はじめに

毎月3週目は”企業”系。今回もAmazonです。
世界がAmazon一色に!?という本です。

◾️要約


AmazonはECだけでなく、システム(AWS),プライムビデオ、物流など全ての業界に影響を与える。ECのカスタマーエクスペリエンスをリアルに持ち込み、垣根をなくしている。ただ世界はAmazon一色になるかというと、そうはならないだろう。人間は統一されるのが好きでないから。

◾️感想


・巨人Amazonの戦略。買収・連携と自社開発。常に強者として選択できる。
・自身の解釈(道、天、地、将、法)にて企業を分析するのは素晴らしいと思う。
・途中までAmazon賛辞だが後半変わる展開は面白い。

◾️オススメ


直接的にITに関わってない分野の方に。Amazonの凄さがわかる本だと思います。

◾️要約(詳細)


◆序章 なぜ今、アマゾンに注目が集まっているのか
ECの世界で巨人となったアマゾンはECだけでなく、システム(AWS),エンタメアマゾンプライムビデオ、物流など全ての業界に影響を与えるプレイヤーである。2017のヤマトの値上げについても一社の考えがあれだけ騒ぎになるということからも影響力の大きさが伺える。この企業の戦略を考えることは非常に有意である

※この頃はなんとなく、ヤマトの領域に入ってくるディスラプターって感じだったけど、もはやAmazonの方が強者。

◆1章 アマゾンの大戦略を5ファクターメソッドで読み解く
アマゾンは5ファクターそれぞれで考えると、
道として、地球上で最も顧客第一主義の会社をうたい、
天の時として、速度の経済を活かしつつ、ある点では超長期的に考え、
地の利であるサイバー空間での知見をリアルに展開し、
将であるベゾスのビジョナリーなリーダーシップで
法、エコシステムをマネジメントしていく
となる。全ての点でソツなく完璧にみえる

※全てに完璧に見える・・・飲み込まれるしかないのか??

◆2章 なぜ、アマゾンは 現実世界 に参入するのか
ECでビックデータAIを使ってユーザエクスペリエンスを高めてきたことをリアルに展開することで小売業を根底から変えることができると考えたため。
リアルにユーザエクスペリエンスの向上余地が残っているため。
それを可能にする技術があるため。

※この考え方、非常に大切。アフターデジタルでは”そもそも”オンラインとオフラインをなくして考えることが重要、とあったが、Amazonの場合、自分の成功体験、法則を他に展開する、というある意味これまでの市場戦略をとっているが、それ(過去の成功体験:ECで常にUXを改善する)が大技すぎるので、これまでと同じと言っても非の打ちどころはない。

◆3章 アマゾンの収益源はもはや 小売り ではない
企業向けにはAWSで、個人向けにはAlexaなどで情報のinput装置はたくさんある。
これらのビックデータをAIを掛け合わせ0.1マーケティングを可能にしている。
AWSについては安くし、利益率を低くすることで競合がはいりにくい世界を作っている。
AIにおいてもプラットフォームはAWS上で提供し、博士の集団がいなくても利用可能な状態にしている。

※他の本にも書いてあったけど、やはりAWSでテックカンパニーになったよなぁ。HWで儲けている企業やシステム会社が”ウチがAWSをやっていれば・・・”って思うけど、これを実現させたのは本当に天才。世界を変えた。

◆4章 ジェフ・ベゾスの宇宙戦略
地上でやっているデータ解析は宇宙まででも展開できると考えている。
衛星や地理情報を駆使して宇宙まで見据え戦略を検討している。
宇宙といっても現状と地理情報、衛星技術など親和性は高い。

※イーロンマスク、ベゾス、・・・宇宙には人を魅了するものがある。宇宙を”やる”なら金が莫大にかかるが。

◆5章 アマゾン、脅威のリーダーシップ&マネジメント
ベゾスの顧客第一主義、イノベーションへの情熱がリーダーシップの14カ条であったり、会社のマネジメント方法に組み込まれているところがアマゾンの驚異的な成長を支えている

※これだけ買収などえげつないことをしても人がついてくる、そこには揺るぎないビジョン(顧客第一)があり、共鳴する仲間がいたってことですね。

◆6章 アジアの王者 アリババの大戦略 と比較する
中国のアリババは神様ジャックマーが周りと協調路線をとりながら、成長しており、その速度はAmazonを凌駕する。中国共産党とうまく関係を保ちながら、真のリアルとECの融合など、世界の最先端を行く。国家に守られながら成長してきたので、リスクでもある。

※世界の盟主にアメリカ以外が成ることをアメリカは受け入れられない。と思う。

◆7章 ベゾスは真の顧客第一主義か、それとも利己主義者か
国家以上の存在になりつつあるAmazonにはそれゆえ果たすべき義務もある。市場をディスラプトしておきながら税金増えないのであれば国家も困る。それには三方よしの精神や社会全体への貢献といったビジョンに基づくリーダーシップが必要。

※強くなるほど批判は増える。なんでもありではない。社会の公器としての企業がポイントに。

◾️アクション


企業分析、競合調査の際に5ファクターメソッドを参考にしてみよう。

◾️読みやすさ


★★

◾️ハッシュタグ

#Amazon
#5ファクターメソッド
#アマゾンが描く2022の世界
#田中 道昭


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