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脳が壊れた_20231225

ストレートなタイトル。
41歳の働き盛りのタイミングで脳梗塞に倒れたルポライターの筆者が、その経験や症状をリアルに記録した本を読みました。

脳梗塞が引き起こす後遺障害は千差万別であり、筆者は身体麻痺よりも高次脳機能障害と呼ばれる脳の認知機能の障害が残り、知覚や記憶、学習、思考、判断といった認知機能全般だったり、情緒面だったりと外見上は分からない部分で不具合が残っている状況を、発症からリハビリ、退院後にいたるまで記したルポタージュです。

後半の第8章から先は、どちらかというと発症に至るまでのバックグラウンドや、その過去を踏まえて残った障害とどう付き合っていくか、自分の内面との対話といった感じでした。
発症に至るプロセスや将来への展望も含めて千差万別であり、ロールモデルにはなりにくいものなんだなという読後感です。

僕には、脳梗塞で倒れた肉親がいます。
いつもしっかりしているし、頼りになる憧れの存在であり、そしてそれが当たり前と思っていたから、第一報を聞いた時には頭が真っ白になりました。
でも、倒れた後、自分の状況を悲観するよりも、前を向いて進み続けている様子を聞くたびにその強さに驚嘆しましたし、今も諦めることなくチャレンジしている姿はやはり頼りになる存在なのだと思いました。(いつまでも頼ってる場合じゃないんですけど・・・)

離れて暮らしているし、お互いが独立した大人なので、後遺障害の詳細にまで踏み込むことはできないし、単純な憐憫の感情などはむしろ失礼だと思っているけれど、今回の内容が少しでも理解の一助になればよいかな。
自分だって明日は我が身かもしれないのだから・・・

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