ゼロからの『資本論』_20230404
筆者のベストセラー「人新世の資本論」は以前読みましたが、言いたいことはわかるができるもんならやってみろという感想でした。
今回は、NHKの番組「100分de名著」でとりあげた内容に加筆して仕上がった本ということで、より平易な解説になっていますが、やはり最後はお得意の「脱成長コミュニズム」の実現に話が収斂していきます。
そして、生まれてはすぐに潰されてはいるが、資本主義を批判する動きが世界中で少しずつ生み出されていることを歓迎しつつ、潰されることで現実に絶望した人々がその捌け口を排外主義などに求めてしまう可能性をあとがきで筆者は憂慮しています。
小さな「革命」が生まれては潰されを繰り返す中で、筆者の言う「脱成長コミュニズム」という大きなうねりにつながることはあるんだろうか・・・今が時代の過渡期ならば、未だに成長を声高に叫ぶ政治家や富(コモン)の独占に勤しむ資本家が淘汰される世界を見てみたい気もするけど、生きてるうちに当事者・目撃者になれるかはわかりませんね。
いずれにしても、資本主義という社会システムに限界がきていることは薄々わかっているが、それに見切りをつけるには資本主義が根を張りすぎている現状なので、いよいよ資本主義崩壊となった時に慌てずに済むよう、こうした指南書をベースに新しいシステムがどのようなものになっていくのかを思考していくことは大事なのかもしれません。
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