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リカバリー・カバヒコ_20231112

連れが図書館で借りてきてオススメしてくれた本を読了。

5階建の新築マンションに引っ越してきた人々が、近所の鄙びた公園にあるこれまた鄙びたカバの遊具に触れることで自らの心の傷を癒していく物語。

このカバ、びんずる様のように治したい部分に触れると回復するという都市伝説があり、物語の最後に都市伝説が生まれたきっかけが判明するという展開。

誰しもが持つ劣等感や心の傷をカバヒコに打ち明けることで立ち直るきっかけを得ていく様子がとても小気味良く、また各章も微妙に連鎖してて読んでて飽きないですね。

確かに誰かに相談したくてもできない悩みってやつは誰しもありますが、そんな時、道端に佇むお地蔵さまやデーンと構えている雄大な山々のような、全てを無為に受け入れてくれる存在は大事ですね。

石でできた無機質な存在や単なる自然なんですが、そこに救いを求める気持ちもわかりますしそれが信仰の原点なのかもしれません。
まぁ、そこに人間が介在することで毎回おかしな方向に進んでしまうことが、古今東西問わず宗教の最大の欠点なのでしょうが…

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