機械仕掛けの太陽_20230513
現役医師であり、作家の知念実希人氏の作品を読了。
この度めでたく(?)5類に移行された新コロに振り回される医療現場の修羅場模様を、コロナ病床医師、看護師、町医者の三者の目線から書いた作品。
人物はフィクションですが、起きた出来事や政治の顛末などは時系列で押さえつつ、医療現場の絶望と奮闘を緻密に描いている、医療従事者へのエールと賞賛を込めた胸熱系の作品です。
一方で、知念氏はSNSでも積極的な発信をされてきたことから、反ワク派の人々から目の敵にされてきたこともあり、その怒りも込めてか、今回の作品でも陰謀論者やコロナ風邪派の人が登場して医療現場にいらぬ負荷をかけた挙句に、本人がコロナ罹患して死にかけたり、親族が亡くなったりというお仕置きを作中で描いております。
言論の自由が保障されている(はず?)の社会ですから、どんな主義主張に対してもやたらと論破してマスタベってるんではなく、生温かく見守ってあげるべきかなとは思いますが、必死で医療現場を守ろうとしている人々の邪魔はやはりしてはいけないなと思うわけで、思想信条はともかくとしてコロナ罹患→重症化で現場に迷惑をかけてしまうことを考えれば、打つべきものは打つべきだったのかもしれませんね、知らんけど。
マスコミ御用達の自称専門家やネット知識人がしたり顔でコメントしてるのと、現場の臨場感はまったく違い、まさしく事件は現場で起きていて、患者であろうと医師であろうと当事者にならない限り見えないものであり、この3年間ハードワークされてきた医療従事者の皆さまには本当に頭が下がります。
この先、新コロがどうなっていくのかは神のみぞ知る世界ですが、できる対応策を取りながら日常も取り戻したいですね。
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