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街とその不確かな壁_20230613

私の住む村の図書館では、本屋大賞受賞作だろうと、芥川賞受賞作だろうと、あまり待つこともなく図書館で借りることができます。

ということで、みんな大好き村上春樹氏の新作も気になったタイミングでは貸出中でしたが、すぐに借りることができました。
よし、じっくりゆっくり読むかと思ったのもつかの間、珍しく予約が3件も入っており、気づけば返却期限は今日・・・ということで、あとがき含め660ページある分厚い本を一気読み。

ちなみに人口8,800人のこの村で3件の予約ということは、前に住んでいた文京区(人口230,000人)でいうと78件の予約が入ってることになります。
1人2週間借りられるので、村で3件なら6週間まち、文京区だとなんと156週!1年52週なので3年まちという計算になってしまいます・・・
実際は、文京区ではこの本が29冊所蔵されており、現時点で546件の予約だそうで、平均すれば18.8件/冊、37週程度で借りられるようですが、それでも9ヶ月くらい待たなくてはいけないので、借りてたことを忘れるわい!となってしまいそうです。

そんな意味でも、本好きにとって田舎に移住する魅力になるのではないかと思うのですが・・・まぁ、ホントの本好きはちゃんと購入して作家さんに貢献するんでしょうが。

閑話休題

村上春樹氏の作品は、ほぼ読んだことがありません。

1年くらい前に話題の映画「ドライブマイカー」の原作が収録された短編集「女のいない男たち」を読んだことがあるくらいです。

その時の感想が、自分には村上作品はまだ早い、いや永遠に早い・・・といったものでしたが、今回の感想も同様な感じです。

キーワードになるのは「壁」と「影」、そこから導き出される「虚と実」や「生と死」は単なる対比的な存在なのか、それともパラレル的に平行して存在するものなのか、作者の妄想の中で好き勝手に問いかけてくる感じです。
そしてもちろん、それらに対する答えも示唆もなく、作品の三部それぞれでブツ切りになって終わってしまう(第一部での少女の消息、第二部でのコーヒーショップの女性との関係、第三部での街からの離脱)ので、それぞれのその後が気にならないといったら嘘になります。

村上作品とはこういうもので、モヤモヤ感を余韻として楽しむものだ、というお約束でもあるんだろうか・・・
よくわからないから、他人の批評をチラ見したけど賛否両論、こうやってアレコレと推察し、ケチをつけたり、崇拝したりするのが村上作品の楽しみ方なのかね。

とうことで、自分で自分に「おつかれさま」といってあげたい読後感でした。


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