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メメンとモリ_20230906

図書館に本を返しに行ったときに並んでいたので借りてみました。
ヨシタケケンスケ氏の絵本はこれまで読んだことが無かったですが、絵のタッチが好きだなぁとは思っていました。

タイトルとなっている「メメンとモリ」は登場人物の名前ですが、出典はラテン語の「メメント・モリ(memento mori)」からのようですが、特設サイトの本人談によると言葉の意味はよく知らないらしい。

言葉の意味的には「いつか必ず訪れる自らの死を忘れるな」ということだそうで、死を意識することで生きることに積極性を持つといったメッセージにつながるというところでしょうか。

それはさておき、本編は3つのおはなしで構成されており、「人は何のために生きているのか?」という問いがベースになっています。
生き方に正解などないし、自分の存在価値は自分で築くものであり、日々の生きる意味は同じでなくていい・・・じっくり絵を楽しまなければ5分もあれば読めてしまい(絵本ですから)ますが、哲学的な問いにやさしい気持ちで答えてくれる感じでいいですね、オチもあってクスッっとなるし、癒されます。

話題になった宮崎駿監督の新作のタイトル(原作ではない)となった吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」の内容をライトにざっくり分かりやすくした感じでしょうか。

多様性が叫ばれる世の中になったからこそ、これまで学校や会社など多様性の対極に生きてきた多くの日本人にとって、それを認めること(=価値観の否定・破壊)にどこかしら葛藤があり、そこからにじみ出る「今の世の生きづらさ(たとえマジョリティの立場であっても)」がネットを中心に蔓延している感じがしており、そうした世相に救いの手を差しのべるような作品が求められているのかもしれませんね。

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