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言葉ノートリスト

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言葉について個人的に気になったことをまとめます。
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eponymous verbs(人名が由来となった動詞)|言葉ノート#3-2

〖2024年2月14日更新未完成〗 「(身近な)人名が由来となった動詞(eponymous verbs)」について、前篇(#3-1)に引き続き取り上げていく。詳しい説明は前篇に記載したので参照されたい。 ところで、名祖名詞や動詞(句)についての議論は松原(1996)に詳しい。し、かつ《意味の決定は話者、聴者の協調関係に依存》する限り、《可能な語義数は無限》にある。 ※松原和馬(1996)「名祖動詞(句) ー意味の創造ー」、『活水論文集 英米文学・英語学編』[第39集]、活

eponymous verbs(人名が由来となった動詞)|言葉ノート#3-1

〖2024年2月15日更新|未完成〗 人名が由来となった単語をエポニム(eponym)という。日本語では名祖(なおや)とも漢語化されている。実際には、もっと広い意味(名祖の名を持つ、またはそれに関する、またはそれ自体である)を含んでいる。 人以外の固有名詞や地名が由来となった単語もエポニムという場合もあるようで、特に後者は「トポニム(toponym)の誤りでは?」と突っ込みたくなる。しかしながら現実には、「list of eponyms」(名祖リスト)で検索をかけると、そ

「🇧🇹」・「🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿」(幻獣)について|言葉ノート#2

〖2023年7月15日更新|未完成〗 日本語では「竜/龍」ないし「ドラゴン」と呼ばれている幻獣は、地域によってさまざまな姿かたちをとり、それぞれで物語られている。これほど多様なのにひとつの概念で捉えているのは不思議だが、目下のところそれで落ち着いている。 概念に近い方法(=絵文字)でまず示したかったが、Unicodeには東洋のものしか登録されていない。1つだけならまだしも、2つ登録されている(「🐲」、「🐉」)ため、なおさら疑問が浮かぶ。そこで、ブータンの旗の絵文字(「🇧🇹

「micro」と「macro」、「nano」と「mega」|言葉ノート#1

〖2023年4月25日更新〗 伝統的に、コウモリ(蝙蝠)はオオコウモリ(大蝙蝠)とココウモリ(小蝙蝠)に分けられる。日本語では「大」/「小」の対比となっており、原初的な二項対立で分かりやすい。 いっぽう英語では、オオコウモリを「megabat」、ココウモリを「microbat」と呼ぶ。「bigbat」/「smallbat」の対比とはなっていない。とくに「microbat」に鑑みて、経済学の用語(マクロ経済/ミクロ経済)のように「macrobat」とはならないのかと怪訝に思