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SS 迷鑑定バディハイキング #毎週ショートショートnoteの応募用

 私とデュパンは軽いバディハイキングをしていた、古城を見たいというのだ。私は付き合うことにする。

「幽霊が出ると噂だ」

 洋館は十六世紀の伯爵の城だったが、今は未成年の少女が住んでいるだけだ、資産はあるので暮らせるが暗い洋館の中で一人はさみしい。

「デュパン様、お願いしたいのは祖母の部屋で幽霊が出る事です」

 元貴族のデュパンは、しばしば事件の解決を頼まれていた。部屋に案内されると埃臭い部屋に大きな鏡がある。

「この鏡に祖母が映ります」

 デュパンは鏡を凝視する、彼は部屋を飛び出すと隣の部屋を開けようとするが鍵がかかっている、私も協力してドアを蹴り破る、その部屋には大きな映写機があった。その部屋は叔父が借りていた。

「あなたの財産を狙う親族が犯人でしょう」

 少女は嬉しそうにデュパンの手を握る、彼は照れくさいのか廊下にある清朝の壺を指さしながら、フランス製の壺と迷鑑定をする始末だ、私は笑いが止まらない。薄暗い館は、今は幸せの色で染まっている。


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