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SS 涙鉛筆 #毎週ショートショートnoteの応募用

ぼくは古めかしい鉛筆を見つけた。「おじいちゃんの机にあったよ」お母さんは、おじいちゃんが死んだ後の整理をしている。「鉛筆ね、めずらしいわね、あなたが持っていて」手渡された。鉛筆のお尻の所には、削られていて何か書いてある。「笑」「怒」「泣」「無」「明」「暗」六角形の鉛筆に六個の文字がある。

俺は授業中に、古びた鉛筆を転がす。今日は「笑」だ。前の席の好きな子に、面白い話をしよう。「今日はこんな事あったよ」彼女は楽しげだ。祖父の鉛筆を見つけてから筆箱に入れている。古い物を持ってるだけでなんか格好がいい。あの子の話すネタを鉛筆で決めていた。

今日も転がす。でも「無」が出る。今日は彼女と話が出来ない。翌日になると「あのな告白するんだ」友達が俺の好きな子の名前を言う。俺より頭が良くて、イケメンだ。とても勝てない。そして彼女は友達と一緒に遊んでいるらしい。俺は今日も鉛筆を転がす。「泣」が出る、鼻水とがでると鉛筆を筆箱に入れた


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