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SS お泊まり会【誕生日】 #シロクマ文芸部

 誕生日会に呼ばれた……少女がつぶやく。刑事はメモを取りながら中学生の話を聞く。どこにでもいる普通の子に見えた。清潔で若い彼女は黙ってうつむいている。

不審ふしんな死に方でね、それで異常な音とか聞いたかなと?」
「寝ていただけです」
「先輩、いいですか」
「なんだ」
「解剖の結果でました」

 間延びした後輩刑事の声を聞いて少女を帰す。後輩が死亡した父親の血液データを見せる。

「酒の飲み過ぎですね」
「アル中か」
「血中濃度が1%近かったです」
「高すぎだな」
「あとカフェインも高くて、変ですね」
「……」

 その部屋は、たまに警察が呼ばれるアパートだった。中学生の娘を殴りつけて近隣の住人が通報する。当日は数人の同級生が集まり、お泊まり会をしていた。

「考えすぎだな……」
「変ですよね、ニコチンの濃度も高くて……」

 先輩の刑事は、ぼんやりと後輩の顔をみながら顔を横にふると別件の捜査に意識を切り替える。

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「警察の人は怖かった?」
「ぜんぜん、私は黙って座ってた」
「ねぇ、今度は誰の家にする?」
「もっと早く死ねるように、工夫しましょう」
「麻酔とか作れないかな……」

 中学生の少女達は、次はどの親にするか相談している。彼女たちの明るい笑顔は、毒親どくおやを殺せる事で輝いていた。

#誕生日
#シロクマ文芸部
#ショートショート
#小説

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