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短歌 あたたかさ 令和版百人一首 【恋の巻他の部】
前を見て
動かぬ体を
抱きしめて
今は亡き
夫のあたたかさ
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「再婚しないの?」
母からのメールをチェックしてゴミ箱に入れる。
「ルカ」
呼ばれると来るが今でも夫が戻ると信じているのかドアの方を見ている時が多い。
「もう戻らないから……」
何回も説明した。ルカは判ったようなわからないような顔をして私を見る。夫の事を思いだすと自然と涙腺がゆるくなり涙があふれる。ルカはそんな時は、私のそばから離れない。動物も悲しいと感じると守ろうとしてくれた。
「もういい加減に忘れないと」
ルカが私の顔を見る。
「俺が守るか?」
そんな事を口に出しそうな顔をする。そんな心配なんていらない、私があんたをちゃんと飼ってあげる。ルカの頭をなでると安心したように目を細めた。いつか、この傷みが薄まり、ルカと静かに暮らせそうだ。でもルカの方が寿命で死んでしまいそう。
「二回も愛している人を亡くすのはきつそうね」
笑いながら飼い犬をなでた。
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