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闇闘技場5 剣闘士マリウスシリーズ

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※注意 若干、残虐な描写があります。

あらすじ
女主人のアレッサンドラからハンデ戦を命令された。三姉妹の剣闘士と戦う。

始まりの合図が無いまま戦闘が開始された。斧は重量がある、盾で下手に防ぐと破壊される。俺は走ると三つ叉の槍を持った次女と思われる相手に突っ込んだ。三つ叉槍は魚を突くための道具だ、武器として転用されているが兵器として扱いが難しい。俺に向かって槍が突かれた。盾で受ける。槍が深く食いこむと俺は盾を捨てて、槍を持った手を両手剣で切る。指から手首まで二つに裂いた。

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ステップを使い彼女の露出している肌を切り刻む、女兵士は見世物として軽装で挑む場合が多い。剣闘士としては危険だが見ている方は血が流れやすくなるので彼女達のハンデとして強要されている。

次女を倒すと長女が片手斧で振り回す。太い腕は疲れを知らないのか大ぶりで近づけない、ステップで俺も避けながら長剣を持った末女の動きを見る。まだ未熟なのだろう長女の攻撃との連携を取れない。俺はぐるりと大きく回転すると末女に向かって剣を交える。大きく力を入れると彼女は膝からくずれた、後ろから斧が来るのは気配でわかる。大声で長女が突進する。

末女からすぐに体を離すと長女は次女の頭を片手斧で割ってしまう。呆然とする長女に俺は横から両手剣を刺す。だが筋肉で阻まれて深く入らない。両手剣を捨てると片手のナイフを取り出して背後から近づく、首筋を切るつもりだった。

次女が俺にのしかかった。右手が使えない彼女は左の腕で俺の首を絞めようとした。油断していた俺は首を守れずに深く喉に食い込む、窒息すれば終わりだ。気が遠くなる前に息を思いっきり吸い込んで呼吸を止める。片手のナイフを次女の顔面に突き刺して引きちぎる、それでも力が弱まらない。長女は刺された腹を手でおさえながら斧を振り上げた。

俺は次女を背負うようにかがむと斧は次女の背中をたたき割ったようだ、腕の力が抜けて自由になると、地面を何回転かして立ち上がる。武器は片手剣のみだ。長女は狂乱の目で俺に走り寄ろうとしたが、もう走れない。俺は三つ叉槍を拾うと足で盾を踏んで抜いた。そして三つ叉槍で長女を串刺しにした。

ヘカテーが上の席から俺の名前を呼びながら手を叩いている。見ればアレッサンドラは珍しく俺を見て笑っていた。俺は周囲を見る。三姉妹は剣闘士でなければ普通の美人に見える。市中に居るような娘達だ。今は血まみれで目をむいて倒れている。土埃が舞い上がる中で俺はゆっくりと出口に向かう。

アウローラがいつものように無表情で俺を見ていた。「お疲れ様です」彼女の言葉で俺は少しだけ安らぎを感じる。

続く

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