SS 水戸藩の池 【#東京ドーム】#青ブラ文学部(450文字くらい)
※実話ではありません。
東京ドームの横にある庭園をご存じだろうか? 元は水戸藩の大名庭園で、美しい池と森に囲まれたオアシスでもある。
「なぁ、この池に女の幽霊が出るって本当か?」
「噂だろ……」
元禄時代に手打ちにされたお女中や家来の死体は、すべてその池に石を抱かせて沈められた。だから夜になると出る。
「はははっ、そんな作り話。だいたい夜は公園に入れないぞ」
「違うんだよ」
「何が?」
「彼らは、この東京ドームに来るんだよ」
池からあがってきた幽霊は、観客席に座り翌朝になるとべったりと水で濡れている。
「よくある話だな、つまらん」
「今日は初バイトだろ?」
「ああ、うん」
「ほら雑巾」
まだ早朝の東京ドームでバイトが雑巾を使う。天井は、ふっ素樹脂コーティングを施したガラス繊維織布の膜材で作られている。水が漏れるわけもない。だが座席は濡れている。なにか泥臭いにおいすら感じた。
「なぁ、これ毎日やってるのか……」
「元の後楽園は天井が無かったから、太陽光で乾いていたんだよ」
幽霊達は何を見に来ているのかは……誰も知らない……(棒)
今回はめっちゃきついですw
あと池に沈めたとかないので創作です。
スケート場の幽霊の話に、すれば良かっただろうか? でもテンプレ幽霊の話しか作れない。超難題枠でした。
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