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SS グリム童話ATM #毎週ショートショートnoteの応募用

「まだですか? 」
 催促のメールだ。童話を頼まれているが苦悩をしていた。今の時代は童話でも残酷な話や悲しい話はNGだ。

「やさしくて、幸せになる話かぁ、童話のATMとかあればいいわね」
 私はコンビニへ買い出しに行く、なんとか話をひねり出さないといけない。いつもの店に立ち寄ると少女がいる。真っ赤なフードは赤いずきんに見える。

「物語にお困りですか? グリム童話ATMをご存じでしょうか? 」
 私は作家としての好奇心と不思議な少女の組み合わせ警戒心が薄まっていた。彼女は対価を渡せば、物語を渡すと言うのだ。

「なにを渡すの? 」
「あなたの不要なものです」

 私は契約をすると、彼女はメールで物語を送ってくれた。
「すばらしい出来だ、『みすぼらしいお姫様と悪魔』は最高の出来だよ! 」

 私は成功する、そして私の不要なもの、それは美貌だ。醜い私は今でも世界で屈指の童話作家として活躍している。


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