SS 女工の告白 【チョコレート】 #シロクマ文芸部
「チョコレートの大釜にお嬢さんが落ちたんです。助けようとしましたよ、でも間に合わなかった」
刑事がメモを取りながら病室の女工の話を聞いている。
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私の名前はチヨです、カタカナでチヨです。十四からチョコレート工場で働いています。もう十年くらいです。
仕事ですか? 釜の温度の測定です。大釜は平屋くらいの高さがありますから、らせんの階段で昇って、てっぺんにある温度計を見るんです。たまに変な温度の時は、小さなレンチで叩くと戻ります。それで戻らない時は、ボイラーの人