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創作民話 関係

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2023年3月の記事一覧

SS 下道一組 #毎週ショートショートnoteの応募用

「およしなさい、旧道は危ないですよ」  一般道とは別に道がある、獣道とは違うが普段は通らないのが下道だ。俺は凶状持ちで普通の道を歩くのは危ない。島から帰ってきた俺はイレズミが腕にある。 「道を外れた俺様は裏道、下道なんでもござれ」  自嘲気味に都々逸を詠う、下手くそすぎて笑う。整備もされていない道は雑草と石だらけで危ない。一人で歩いていると後ろから声がする。 「こんな場所に旦那さん、一緒にいきませんか? 」  鳥追笠をかぶった玄人筋の女が近寄る、こんな場所に? とも

SS 溶けかかった雪だるまは、どうしてこんなに物悲しいのだろう。#ストーリーの種

 大雪が降った日に太郎は雪だるまを作る。炭で目鼻をつけると立派な顔だ。太郎は嬉しくなり雪だるまに抱きついたが、冷たすぎて家に走って戻る。太郎は雪だるまが好きだ。 「――太郎、太郎」  寝ているとゆさゆさゆすられた、眼をあけると雪だるまが起こしている。驚くが母親の声なので、怪しみながらも起きて朝飯を食べた。囲炉裏には雪だるまが並んでいた、囲炉裏は炎で暖かいが、雪だるまは溶けないのが不思議に感じる。 「なにを呆けている、薪割りしろ」  雪だるまの父親に命令されて外にでる。昨日

SS 桃太郎が鬼と仲良くなる方法 【創作民話】

 鬼は土下座をしながら命乞いをしました。 「どうぞ、お許しください」  桃太郎も鬼ではない、彼らの命を助ける事にした。鬼は喜んで宴会を始めて、桃太郎をもてなします。 「私達も悪意で人間を襲いません」 「どんな理由があるんだ?」  桃太郎も酔っているのかふらふらと頭をゆらします。 「この角です、人間に迫害されました」 「それはかわいそうに、これからは人間と仲良くなろう」  うなずく鬼達は桃太郎に、女の鬼をあてがいます。なまめかしい女鬼を見てたまらず抱いてしまうのは思春期で