マガジンのカバー画像

創作民話 関係

112
創作民話をまとめています
運営しているクリエイター

2022年7月の記事一覧

SS 顔部 #爪毛の挑戦状

「物部殿」梶原が俺の前にあぐらで座る。「織様を頂きたい」いつもの催促だ。娘は嫌がっている「お前に嫁がせる気は無い」恨み顔で父親の俺を見ると出て行く 豪族同士の婚約で勢力が変わる。梶原は評判が悪い。やたらと婚姻をすると妻が何人も死んだ。領地は奴が奪う。娘が座敷に来ると「また来たのですか?」と嫌そうな顔をする「大丈夫だ、お前は嫁やらん」美しい娘は納得すると嬉しそうだ 「親方様大変です」深夜に近習が寝所に報告をする「檻様が…殺されました」忍び込んだ賊に殺されたと言う、俺は娘を見

SS 動けない影 #爪毛の挑戦状

「やあ ひさしぶり」たぬきさんが、うさぎさんに挨拶します。うさぎさんは落ち込んでいるようです。昔からの知り合いなので心配です。「うさぎさん、どうだい釣りにでも行くかい」親切なたぬきさんは、うさぎさんと川に行きます。 たぬきさんとうさぎさんが散歩をしていると、地面に影がある。「あれ?なんの影なんだろう?」たぬきさんが不思議に感じます。 上を見ても何もありません。うさぎさんは何やら困惑している様子です。「この影はなんだろうね?」たぬきさんが、うさぎんさんに聞いてみました。「動

SS どんな本でも、一発で100ページ目を開ける。それが俺の特殊能力だ。まさか、これで世界を救うとは思ってなかった。そして、また滅ぼすとは。#ストーリーの種

どんな本でも、一発で100ページ目を開ける。それが俺の特殊能力だ。まさか、これで世界を救うとは思ってなかった。そして、また滅ぼすとは。俺は世界を救う英雄とも悪魔とも言われる事になる。「なんでユージョンは、ぽんこつなのよ」幼なじみの詠唱師のミアは俺をポカポカと殴る。 赤毛のミアは、俺の背中で泣いていた。俺は呆然と首都の崩壊する状態を見ながら逆に晴れやかに笑っていた。 「腐敗しているわね」ミアがつぶやく。ソドムと呼ばれるその都市は、快楽と汚辱で薄汚れていた。都市中にある宿は全

SS 心眼 【穴&心の目&子猫】 三題噺チャレンジ

石垣銀治郎は刀をゆっくりと抜く。気合いを込めて刀を振る。城主が見守る中での御前試合は負けられない。父は心眼を会得しろと静かに語っていた。俺に出来るだろうか?「心の目を持って敵と勝負するのか」つぶやくと真剣を鞘に納めた。 妹の石垣優江が近づく。「兄上、お夕飯ですよ」妹は縁談も決まっている。相手は、浅沼左衛門で御前試合の相手だ。俺が勝てば家禄は上がる。しかし嫁ぎ先の浅沼の方が下がるかもしれない。ただ命のやりとりをするわけでもない。そこまで勝負に、こだわる必要があるのか迷っていた