自己責任
昨年の9月からウクレレを習いはじめた。
今回のハワイ行きはウクレレとは別系統からの発想だったけど自由なひとり旅、ふとダイアモンドヘッドが見えるカピオラニ公園でウクレレを練習するなんてカッコいいかもと思い、旅行の計画に入れた。
ハワイに到着して最初は、この雰囲気を誰とも共有することができないなんてさみしい、私意外と旅はみんなと行きたいかも、などという殊勝なことを考えていたが、そんな気持ち数時間後には消えた。
計画は思うそばから撤回。さっきまで考えていたことと全く反対のことをやる。こんなの家族がいたら非難ごうごうです。自由だわー。
自由を満喫しすぎて2日目、トロリーに乗っていたら急に行きたい場所を思い出し車を降りた。ところが目的のお店に行くのに1時間50分も歩いてしまう。Googlemapを見間違えていました。
まだ見間違えに気づいていない頃、なかなか日本では見ない住宅があったので写真を撮った。
いろいろありつつ無事にホテルに帰って来まして翌日3日目。疲れて動けないというほどではないのだけれどカピオラニ公園は撤回、ウクレレの練習はホテル近くの公園でやることにした。練習すると簡単に言ってはみたけど路上ライブでもないのに屋外となるとやはり緊張する。練習したと家族に嘘ついちゃおうかな。でもスーツケースにわざわざウクレレを入れてきたのに、ただの場所塞ぎとして日本とハワイを往復させただけじゃなんにもならないのでやるしかない。
公園に着いて場所を探す。日向は暑いので日陰で、車道からも歩道からも見えにくい場所を選んで持ってきたヨガタオルを敷いた。
私の自宅は賃貸マンションで楽器不可。なのでアンプで音を出すエレキウクレレ(サイレントウクレレ)を使っている。ハワイにはいわゆる普通のウクレレを持ってきた。いつもちんまり弾いているから実は思い切り弾くということにも慣れていない。
最初は人にもビクビク、響く音にも恐る恐るだったがあんまり周りは気にしてないみたい。少しずつ練習に没入していった。
私のすぐ横を何かが通り過ぎる気配がした。
広い公園でこんなに近づかなくてもいいのに。無視して練習していても近くに気配がまだある。顔を上げてみると3メートル先でお兄さんがスマホを構えている
「Take a picture ?」
胸に「自己責任」と日本語で書いてあるTシャツを着たビーサンのお兄さん。
「え?私でいいの…?」
「あ、日本人…?」
続きます
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