過去の彼氏から届いたタイムカプセルを開封して供養する

元彼から段ボール一箱が届いた。

「引っ越すことにしたんだけど、家にある荷物、送ってもいい?」

そんな連絡が来たのは1ヶ月前くらいだろうか。
別れてから半年以上経っているし、最後に家に行ったの、最後に家に泊まったの、いつだよ、、必要なものは持って帰ってきてるはずだぞ、、?って思った。

一応聞いてみたら、
捨てる捨てないの判断がつかないし、都度確認するの面倒だから送りたい、と。
それなら送ってもらって処分の判断するね、ということに。

どんなのが送られてくるんだろうとちょっと楽しみだった。楽しみ、というよりは気になる、が近いかもしれない。あと、ちょっとドキドキ。

届いたのはそこそこでかい段ボール。意外と軽い。
ヤマトじゃなくて郵便局で届くのが、彼らしいなと思う。
ちょっと切手のセンスがいいのも、そこは無愛想じゃないんだななんて笑ってしまう。
ガムテープの貼り方も伝票の書き方も、丁寧で。でもあえて妥協したり適当したんじゃないか?みたいな心の動きが垣間見えたりもする、気がする。

郵便局で働く家族の話をしていたこと。
バチバチのもかわいいのも好きだったこと。
几帳面なところはキマると素敵だけど、一緒に過ごすときにモヤモヤすることも多かったこと。
その不器用な几帳面さを、彼自身が自覚していくのも、ほどよく丸くなっていくのも、過ごす時間の中で感じていたこと。

なんか懐かしいな、と思った。


箱を開けると、意外とスカスカで拍子抜けした。
うちの母親がいつもみちみちに詰め込んだ段ボールを送ってくるからかもしれないな。

一番上で目立っている新聞紙の丸い塊を手に取る。なんだこれ。広げていくと、何十層にも重なった新聞紙の中から割れ物の器が出てきて、キャベツかよ、って思った。これくらい包んだら大丈夫っしょ、って厳重にぐるぐるに包んだんだろうな。

ちょっと焦げ付くようになった白いフライパン、温度調整のできないちいさなホットプレート、普段でも食べられる非常食にと持っていったアルファ米やイワシの缶詰。食べ物ばっかり。
思い入れのあるアガサクリスティーの本が入っていて、戻ってきてうれしかった。お気に入りのカバーをちゃんとつけていた甲斐があった。
わんこそばの記念の木札が出てきて、140杯!って書いてあって笑った。めちゃくちゃ食べたな。(たしか100杯で木札がもらえて、みんなそれを目指すんだよね。隣で食べてた女性2人組はがんばって100杯だった。その1.4倍。笑)

2人のペットみたいなサメのぬいぐるみがいたんだけど、お迎えしたいって言ったの私だから送られてくるんかな、いやでも送られても困るな、一番困るのってサメさんだよな、みたいなモヤモヤがあったのだけど
送られてこなくて安心した。サメさん、元気でね!!!の気持ち。

あと、私が持ってった枕、彼が気に入ってずっと使ってて。それも入ってなくて安心した。でもずっと前に貸したネックウォーマーは返ってきた。変なの。


元彼から荷物が送られてくるという初めての体験、なんかおもしろかった。ちょっと変な感じだけど、また前に進むための一歩なんだろうな。お互いにとって。

流れる時間の不思議さを感じる。
あの時間がなかったら今の自分はないけれど、もうすっかり過去のことなんだよな。きっかけがあると思い出せることも多いけど、もっと身軽になりたいな、とも思った。

届いたものたちは、きっと自然に今の生活の一部になっていくんだろうな、彼にまつわる記憶を風化させながら。
彼の元にあるものたちも、きっと私との記憶は風化していく(いった)んだろうな。

ぐるぐるに包んであった新聞紙、今日洗おうと思っていた靴を乾かすのにちょうどいいじゃない。

供養!!!!!


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