日本の教育に足りないもの(教育行政をとりまく規制等)
※はてなブログに2018-05-23に投稿した記事の転載。
ISAKを運営している小林りんさんの記事「日本の教育に足りないもの」を拝見しました。
個性を伸ばすことが大切だと言われている時代に、時間数や単位数まで、事細かく国が規定する必要が本当にあるのだろうか。
特に、生徒自らが選択をして入学してくる、加えてニーズとかけ離れた教育をやれば破綻するリスクを自ら背負っている私学の教育を、ここまで細かく規定する必要があるのか……現場にいて、考え込んでしまうことも多い。
と記事中にあるように、学校教育法をはじめとした教育行政をとりまく法律、政令、規則等の規制について触れられていて、興味深かったので、感想を書いてみようと思います。なお、本件はNewsPicsにもコメントしましたが、意外と長くなったので、このブログにまとめおこうとするもので、今回がこのブログの初投稿です。
(1) 規制の緩和について
確かに私学においては、もっと制約を緩和してもよい気はしますが、「生徒が集まらなければ(繰り返しになるが)自らの経営破綻のリスクを負う」という点以外にも、在籍する生徒や入学予定であった生徒に不利益が被るおそれがありますので、その点で規制の必要性もあると考えます。
一方で学校法人側としての規制緩和のニーズも現状では具体になっていないのではないかと思います。規制が緩和されるには、学校法人側が都道府県と一緒に特区提案するなり、国は規制の必要性について調査・精査するような動きが必要となると考えます。
(2) 学校設置基準について
おっしゃるとおり学校設置基準はかなりハードルが高い規制です。
「特別の事情があり、かつ、その他の教育上支障がない場合は、この限りでない。」という要件について、学校法人側が具体に都道府県に対して提案すれば、基準策定している文科省含め、要件の該当性を判断するのではないかと考えます。
しかしながら、実際にはそこまで力強い法人がいなかったということがこれまでのところだろうと思います。
(3) 特別免許状の付与について
特別免許状の付与については、教員の多様化及び外部人材の活用を進めるために有益だと考えます。国においては、特別免許状を付与しその人材のデータベースを作り、活用を促すなどの議論もあったような気がしますが、いずれにしても活用が進んでいないのが現状です。
じゃあどうすれば活用が進むのか?この点について、議論が深まっていないと考えますし、国はその要因含め現状を把握しているのかよくわかりません。どこかの政党が国会での質疑と都道府県議会での質疑を組み合わせて、その実態を迫る必要性があるように思いますし、個人的にはどこかの政党がやってほしいと考えます。
以上が感想です。規制緩和に向けては、具体的なニーズがないとなかなか難しいのではないかと感じるところ。それについて、民間や政党等が具体的なニーズを明らかにするなどに取り組み、国を動かしていくしかないのかなあと思います。
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