ゼロ高等学院が開校 多様な教育の選択肢の提供とそのスキーム


はてなブログに2018-07-24に投稿した記事の転載。

ホリエモンこと、堀江貴文氏主宰の新しい高等学院、
ゼロ高等学院(ゼロ高)が10月に開校とのこと。

ゼロ高等学院については、以下に抜粋したプレスリリースの説明の通り、行動し学びを得られる(座学を目的とせず、行動を目的とする)教育機関であり、既存の高等学校と教育提携することにより、通信制高校として高校卒業資格の取得が行えるということです。

o ゼロ高について
実業家である堀江貴文の知見と、約1500人を有するHIU(堀江貴文イノベーション大学校)、様々な有識者、実業家のネットワークを活かしたプロジェクト活動への参加できることが可能な高等学院です。
机上の空論ではなく、実在の社会活動へ参加、行動し、学びを得られる教育機関です。
(中略)
また、既存の高等学校と教育提携することにより、在学中にあらゆる社会活動に参加しながら、通信制高校として高校卒業資格の取得が行えることも、大きな特徴の一つです。

こうした特徴的なカリキュラムにて教育を行おうとする動きに、インターネットと通信制高校の制度を活用する学校として、学校法人角川ドワンゴ学園が開校したN高等学校(N高)があります。

①N高は通信制高校
②ゼロ高等学院は通信高校と連携

こうした動きをみると、特徴的なカリキュラムや学び方等を実現するには、通信制高校の枠組みが実現しやすいのかもしれません。

特に今回のホリエモンの「学校」は、株式会社立で高等学校としては無認可の教育機関の位置づけです。

そのため、学校法人を設立する必要もなく、学校の開校準備コスト(準備期間や手続き等の労力)が少なくすむと思われます。
これは、独自の学校を作りたい人には好事例になりそうだと思います。


以前、小林りんさんのコラム※1で、"日本の教育界に必要なのは、同じような教育モデルの「焼き増し」が増えることではなく、生徒の個性や社会のニーズと同じくらい、多様な教育の選択肢の幅そのものだと、私は考える。"とありましたが、今回のホリエモンのスキーム(無認可の教育機関+通信制高校と提携)で比較的小コストで多様な教育の選択肢が生まれてくるのではと感じます。
※1 日本の教育に足りないもの 大切なのは個性か大勢か
   https://forbesjapan.com/articles/detail/21056/1/1/1


堀江氏としてもNewspicsで、以下のようにコメントしており、まずはやれることをとスピード重視で今回のゼロ高を開設した様子です。

今の時代普通科の高校に三年も通うことはほぼ意味がないのですが、やはり親や教師は「高校くらいは行っとけ」と何も考えずに押し付けるわけで、その押し付けを通信制のコースでやり過ごしながら、本当にこれから必要になってくる行動力を身につけてもらいます。メンター、ティーチングアシスタント的な役割りはHIUの大人が行います。そして、短期間で体験できる鮨職人コースなどの講座がありハマったらそれこそ寿司店開業するもよし、ハマらなかったらハマるまで色々用意してる講座から選んでいけばいいのです。本当はもっと低学年からやりたいんですが、まずは最速でやれる仕組みで始めます

※強調は筆者。

スキーム的には、ゼロ高は、「広域通信制高校における民間のサポート施設」という位置づけに類するものと考えられると思いますが、ゼロ高の趣旨等からその位置づけも少し違和感があるところ。(※2)

※2
7月26日の記者会見によると、やはりゼロ高は通信制高校のサポート高という位置づけとのことですね。個人的にはこのスキーム。こんなやり方あったのかと思っていましたが、堀江さんもこのスキームを知ったときは同じ思い(こんな方法あったの?)だったみたいでした。記者会見動画は以下より見れます。
堀江貴文主宰・ゼロ高等学院の開校・開設記者会見の様子をLIVE配信!

ただ、広域通信制高校のサポート施設は、不適切な学校運営につながるケースがあるなどの課題があったことから、文科省において審議(※3)され、ガイドラインもとりまとめられる(※4)などの経緯があったので、今回のゼロ高によって何かしら規制が入ってこないか少し心配なところではあります。

いずれにせよ、今後の動きやゼロ高で行われる教育に期待しています。
今後この、無認可であるため、いろいろと動きやすく、立ち上げしやすやすい「無認可の教育機関+通信制高校と提携」といったスキームによって、多様な教育機関が出てくるのかもしれません。

※3 広域通信制高等学校の質の確保・向上に関する調査研究協力者会議
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/125/index.htm
※4 高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドラインの策定についてhttp://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/125/houkoku/1377895.htm

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