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映画のキロク

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映画のキロクは記憶!
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記事一覧

『ライド・オン』にみる、香港映画の終焉再び

いつからだろう、ジャッキー・チェン氏の作品を追わなくなって久しい。 反日発言がどうとか言…

耳
2週間前
4

『関心領域』にみる、良心の呵責

アウシュヴィッツ収容所と壁ひとつ隔てた隣に暮らす一組の家族がいた。 所長を任された親衛隊…

耳
4週間前
5

『悪は存在しない』にみる、自然界隈

長野県、水挽町。自然豊かな小さな町に、突然持ち上がったグランピング場開発計画を巡って揺れ…

耳
1か月前
3

『ベイビーわるきゅーれ』にみる、ジャパニーズ・フィルム・のわーる

 今秋、第3弾となる『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の公開が控えている、記念すべき第…

耳
1か月前
3

『フェイブルマンズ』にみる、映画への愛

なかなか食指の動かなかった自伝作にあっさりと惹き込まれていく。 ユダヤ系である以外、生い…

耳
1か月前
1

『汚れた血』にみる、小爆発

先日、古書店に来たお客さんと映画談議をした。 仕事とか忘れて話が止まらなくなってあとで反…

耳
1か月前
1

『辰巳』にみる、引き留める心

これ、すごくよかった。 三十歳半ばにして、よくぞこれほど昭和チックな顔面のヤクザ役をキャスティングしてきたものだと、感心しきりの小路紘史監督、長編第2作。 くそ生意気な葵におなじようにイラつきながら、真っすぐな彼女をどうしても放っておけなくなる辰巳の気持ちが痛いほど伝わる。 それは葵役の森田想さんが魅力的だからにほかならない。 何度もコワイ男たちに喧嘩を吹っかけては唾をひっかけるのだが、持論、裸になるくらい唾を吐く演技はむずかしい。 こっちがビクビクするほど啖呵を切

『無名』にみる、”映画の自由”の終わりの始まり

楽しみにしていたトニー・レオン氏最新作は中国製スパイ・ノワール。 純粋なエンタテイメント…

耳
2か月前
2

豪華絢爛『プロスペーローの本』にみる、ピーター・グリーナウェイの偏執

 ”ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ”と題したリバイバル上映が、ここ札幌にも…

耳
2か月前

『ノマドランド』にみる、現代(いま)を生きる答え

この感慨はなにかに似ている。 ずいぶん前に観て動揺を覚えた『イントゥ・ザ・ワイルド』だ。…

耳
2か月前

『アネット』にみる、滾り

鬼才レオス・カラックス作品をこれほどすんなり好きとおもえたことに驚く。 もちろん主演のア…

耳
2か月前

『オッペンハイマー』にみる、世界を変えた核兵器のコワサ

クリストファー・ノーラン監督最新作は“原爆の父”、天才理論物理学者ロバート・オッペンハイ…

耳
3か月前
3

『ガスパール/君と過ごした季節(とき)』にみる、南仏の風と人の優しさ

冒頭、いきなりの姥捨てに笑ゲキ。 一文無しのおばあちゃん(シュザンヌ・フロン)を迷わず助…

耳
3か月前
1

『BLUE GIANT』にみる、ジャズ魂

石塚真一氏の人気コミックスをアニメ映画化。 世界一のジャズプレイヤーを目指す主人公・大(山田裕貴)が、音楽への情熱を力に、仲間とともに駆け抜けた熱き青春の日々を、上原ひろみをはじめとする世界的プレイヤーが実際に担当する圧巻の演奏シーンとともに描き出す。 全10巻のコミックスは未読。原作のごく一部を掻い摘んでいるそうだ。 それでも青春のすべてジャズに捧げる熱さは十分伝わる。 同時に、ダイジェストのようでかなりの割愛を予感させるし、女の子がまったく出てこないのだった。 仙台