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読書のキロク

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本のキロクは記憶!
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記事一覧

まるで耽美な映画、『聖なる春』

古い土蔵のなかで、世紀末ウィーンの画家クリムトの贋絵を描いて暮らす「私」を時折訪ねてくる…

耳
2か月前
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愛情地理学的パリ、『パリはわが町』

2016年刊行の翌年、98歳で大往生を遂げられた、ロジェ・グルニエ氏による極私的断章集。 もは…

耳
2か月前

数多、映画の原作『不思議の森のアリス』

評論家で翻訳家の仁賀克雄氏による<ダーク・ファンタジー・コレクション>第2弾。 フィリップ…

耳
2か月前
2

整形した殺人鬼が、『夜歩く』

 初めて読むディクスン・カー(1906~1977)で、記念すべき処女作。 『It Walks by Night』19…

耳
3か月前

ミステリ作家による本のススメ、『米澤屋書店』

ミステリー作家・米澤穂信氏が様々な媒体に書きためてきた書評やお勧め本、対談を一冊にまとめ…

耳
3か月前
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ウラジーミル・ソローキン『テルリア』リプス!

 『青い脂』の凄まじい読書体験が忘れられないウラジーミル・ソローキンの描く、”ユートピア…

耳
3か月前
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作家にしておくのにはもったいない、イケオジ島田雅彦著『君が壊れてしまう前に』

いつか教育テレビで見かけた島田雅彦氏が、作家にしておくにはもったいないほどの私的イケオジすぎて、著作を手に取ったのはかれこれ7年も前の話。 島田作品はぜんぶいい。そんな感想をどこかで目にして、制覇したいとおもったまま、やっぱり7年が過ぎていた。こわ。 『ニッチを探して』以来、久しぶり。1998年角川書店刊行。 ーかつて14歳だったあなたへ。いま14歳の君に。ー (帯) そんな頼もしいエールを込めた異端児の日々のキロク。 日記文学が好きなわたしによく響いた。 1975年、

『一本の線』野見山暁治、再読

洋画家・野見山暁治による私小説。1990年刊行。   アルバイトしていた古書店で、著名な作家…

耳
4か月前
3

米澤穂信によるミステリ『追想五断章』

先月の所用に携えた『奔馬』を旅先で読み終えてしまって、金沢で調達した初めての米澤穂信氏の…

耳
5か月前

豊饒の海シリーズ『春の雪』『奔馬』の豊饒

『春の雪』  ことしの読書初めに選んだ”豊饒の海シリーズ”、前半の2冊を読み終えた。三島由…

耳
5か月前
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