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18の記憶

貴方が見てくれていることを思って。
最後の手紙だと思って書きます。

私が綴った手紙を大切に
机にしまっていてくれたこと、愛していました。

 

貴方が残した300の日々には
きっと一生分の幸せと
二度とはない僥倖がありました。



 
それなのに
出会いが一瞬だったように、
さよならも一瞬でした。

貴方が傍から居なくなってから、
『嫌い』『これでよかった』『いなくなれ』
『別れてすぐ他の女に行く奴』
『本気じゃなかったんだ』

沢山の悪口を垂れ流していた私でしたが、
きっと必死に忘れる努力、
嫌いになる努力をしていたのだと思います。
まだ大人になれなかった私を赦してください。

貴方のあの300日が本気だったかどうか
私にはわからないけれど
でも、私があなたに恋したのは本気でした。


初めて人に感じた
『次の恋人はきっとこの人だ』という
感覚が優しく懐かしくて、今でも忘れられません。

だから、
1度好きになってしまえば、
1度愛してしまえば、
たとえ1つずつ思い出が消え去っても
貴方1人の存在は忘れられないのです。


拝啓、あの日の青年へ。


貴方が傍にいた頃のように今も綴る私ですが
もう忘れてください。
きっと幸せになります、なれるから。


もし貴方と出会えたのが運命であるなら
どこかでまた必ずお互い姿を変えて出会える。

どうか、愛していたことを憶えていてください。

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