1- 存在
……冬の初めに薄く凍った湖の上。
その凍った湖はとっても水が綺麗で、氷にはよく晴れた暖かい空が映えて、幻想のような綺麗な花が透き通って湖底に咲いてるみたい。
けれどそこは棘が刺さるような痛みを運ぶ寒さで、周りには何も無い。歩いていればいいかもしれないけれどやっぱり滑ってしまう。歩くことさえ難しい時がある。立ち止まってもいいと思うけど。
少し衝撃が走ると穴が空いて、冷たい湖の中に沈んでしまって、心から、芯から冷える場所。
誰にも気づかれなくて、息も詰まる。声も届かなくて、手をのばすにはとても遠い水面。
もしかしたら、死んでしまう場所。
あなたさえも、殺してしまう場所。
人生いつもそこに立ってると思ってる。
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