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掃除機を買いました

7年ほど使用していたdysonの掃除機がとうとうご臨終となりました。
吸引力は落ちなかったのですが、部品のあちこちに亀裂が入り、ガムテープや養生テープで補強した姿は、元のスタイリッシュな姿とは程遠い。掃除機と過ごした7年間の自分の劣化と比例しています。ああ、7年前はまだ白髪もなかったのに…
同居の母が「掃除機が重い」と使いづらそうにしていたので、今回はコードレスタイプの軽量型を選びました。キャンペーン期間中ということで専用スタンドもセットになっています。
さて、楽しみにしていた商品が届きました。箱を開けると美しいフォルムのスリムな姿が現れ、がぜんテンションがあがります。うんうん。これこれ。私もね、7年前と比べたら5Kg痩せたんだ。お互い身軽になったよね、と新入りを愛で、彼女(彼?)のホームポジションである専用スタンドの組み立てにかかりました。
部品は全部で7つ。まずはスタンド部分となる2本のポールを連結します。
これは簡単、と作業を始めましたが、「カチッ」という連結音がなかなか聞こえず何度かやり直し。次に土台とスタンドを六角レンチで止めていきます。親切なことに「組立用のポール安定台」までついているではありませんか。安定台にポールを設置し、同梱の六角レンチを使って止めていくのですが、安定台を使っているにも関わらず、土台とポールを抑える力が弱いのか、六角レンチの使い方が間違っているのか、土台がくるくると回り、ポールは遠くへ離れていってしまいます。思った以上の苦戦を強いられましたが何とか取付成功。その後も充電スイッチの取付、コードの固定など、作業の都度、手は止まり、頭の中に?を浮かべながら、無事組み立てることができました。所要時間45分。きっと普通に慣れている人なら5分とかからない作業だったでしょう。

今でもあこがれている職業は「敏腕スナイパー(美人)」です。
(年甲斐もなく、ということはお見逃しくださいませ)
屋上にやっていきた長身のスリムな女性。髪を後ろで一つに束ね、黒のピタっとした上下に身を包み、ケースからライフルを出して、手早く組み立てます。周囲から見えないようにフェンスの影に隠れ、演説中のターゲットに照準を素早く合わせて発砲。周囲がアッと気づいた時にはすでにライフルをケースに戻し、屋上から去った後。途中の非常階段にあるダストボックスから着ていた上着を投げ捨て、あでやかなトップスに髪をなびかせて
正面玄関から堂々と立ち去る…その間約三分。
くうう~ッ、カッコいい!

さあ、先ほどの方程式で上記の例題を解いてみましょう。300%譲歩して、スタイルだけは身につけたとします。

高層ビルを非常階段だけで上るのは絶対に無理。ギリギリまでエレベーターを利用して(もちろん監視カメラの死角に入りましたよ)最上階の3フロア分だけ非常階段を使いましたが、脚はガクガクです。
気を取り直してライフルの入ったケースを開けましょう。あれ、このキャッチクリップこんなにきつかったっけ?力を込めてクリップの上げ下げをしていると、何かのタイミングですっと蓋が開きました。
本体の組立ては大丈夫。家で何度も練習したから、と鮮やかな手つきで組立てます。所要時間30秒の見事な手さばきに満足し、ふっとケースの中を見ると小さな部品が一つ。
あれ?こんな部品あったっけ?この部品が入る穴はどうにもなさそうだけれど、内部に入れ込むやつだったかな?予備の部品かな?
あたふたと今組み立てたライフルを解体していくと、ありました。安全装置の横にある小さなスペースが。やれやれ、ともう一度組立て直し、ようやく完成。
さて、ボヤボヤしているうちにターゲットの演説会も終盤になってしまいました。
演説会場をチェックしようと階下を見ると、気持ちいいほどの快晴。持病の日光アレルギーでくしゃみが止まりません。視界も涙でぼんやりかすんでいます。でも一流のスナイパーともなれば長年の勘が働くというもの。集中力をマックスにしてターゲットに発砲!見事ターゲットの心臓を打ち破ることができました。
その途端、火薬の臭いで嗅覚過敏の症状である吐き気が!加えて、発砲音で持病のメニエール症状が悪化、吐き気と眩暈で立ち上がることもできず…ああ、誰か助けて…

掃除機スタンドを組み立てる間、「求人検索のとき、スナイパーは外そう」と心に誓うわたしでした。
ああ、私がソツなくできることって、あるのでしょうか??

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