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今だからこそ、ライターの言葉が社会を変えられるんだ。

みなさま、あけましておめでとうございます。

2021年、何卒よろしくお願いします。

今年も、マスメディアンの3ラ塾の情報や、言葉にまつわるトピックスを、つらつらと書いていきます。塾長の黒澤が、長年の経験からゲットした知恵もいろいろ書いていきます。

さて。3ラ塾は、ライターになりたい人を、ライターに育て、ライターの仕事ができる環境にしていく塾です。しかも、無料でおこなっています。

なぜ、3ラ塾は、ライターを生み出そうとしているのか。そのリーズンについてお話をしておきます。年初ですし。

ライターと言うと、昔からある職業なので、古めかしいイメージがあるかもしれませんね。記者さんのイメージがあったり、雑誌メディアのイメージがあるかもしれません。しかし、そう考えること自体が、もはや古いと感じます。

実は、ライターは今、最先端の職業になりつつあります。

その背景には二つの情報社会の変化があります。一つは、企業のホームページの増大です。総務省の2019年の調査によれば、ホームページ開設状況は、89.7%。産業別に見ると、情報通信業では、98.9%の企業が開設しています。しかも、企業によっては、研究開発部門が自前のページを持っていたり、流通・営業部門がECサイトを持っていたり、企業が複数のウェブページを運用しているケースもどんどん増大しています。企業にとって、ウェブサイトの戦略的な設計や運用が、ブランド価値や利益/利益率やリクルーティングのすべてを握ってきていると明確に言えます。

質的な変化もあります。僕は、ウェブサイトの黎明期から、IT関連企業の仕事で、その中身の制作に関わってきましたが、初めはページのほとんどが自社情報で埋め尽くされていました。新商品が出たとか、新技術の凄さとか、新組織が生まれた、とか、ある意味、手前味噌的な情報発信がほとんどでした。

しかし、今は違います。ページは自社情報を伝えるだけではありません。生活者にとって有益な情報があれば、それを積極的に記事化しています。もちろん、まったく関係のないことではダメですが、例えば、化粧品メーカーが、有名なメークアップ・アーティストにインタビューして、今年のメイク先取り情報を記事にするとか、です。僕の最近の仕事で、化粧品とトイレタリー関連の会社のサイトで、上手な筆文字の書き方、という記事を作りました。それは、女性が結婚式や様々な会の受付などで筆文字を書く時、恥ずかしくないようにする、それができることもレディのマナー、そんなコンセプトから生まれたものでした。企業と編集者とライターがそのページの構成を考え、取材し、魅力的な読み物に仕立て上げました。

そう、今、書いた「読み物」化、これがキーワードです。ウェブページが溢れた今、もう生活者に関係のない自社手前味噌情報だけでは、多くのページビューを獲得できないからです。ページビューの獲得は、企業の情報戦略のみならずビジネス全般に影響を及ぼすイシューになっているのです。一個のキラーコンテンツを生み出せば、それだけで大きな成果が染み出すように獲得できます。

この読み物化が進んでいくなかで、そのコンテンツは誰が作るのでしょう。答えは、もうお分かりですね。中心の職業がライターです。そして、そのライターに、生活者が興味を持てるコンテンツを探し当てるアンテナ力も必要になってきています。

背景の二つ目は、SNSの急激な浸透です。新しい文化表現が生まれてきていることは、もうみなさん実感されていることでしょう。その核にあるのが、間違いなく「言葉」です。言葉を制するものが、SNSを制すると言ってもいいのではないでしょうか。SNSを広告の最重要メディアと考え、そこにライターもしくはコピーライターを投入している企業も増えています。共同体(コミュニティ)作りに、「言葉」は欠くことができないのです。

なぜ、ライターを育成するか。その理由を簡単ですが、お話ししました。宣伝会議グループのマスメディアンは多くのクリエイター人材に、より良い働き方を提案し続けてきた会社です。その社会的使命の一環として、3ラ塾があるとお考えください。黒澤もその使命に共感して、座長となったわけなのです。

ウェブサイトは新しい「言葉文化」を急速に創造しつつあります。

そのフィールドで活躍するライターも、また、新しい職能を要求されていくでしょう。そして、本物のプロは、多くのギャランティを獲得していくでしょう。すべては、まだ始まったばかりなのかもしれません。言葉に関わり続けてきた僕にとっても、その未来はとてもワクワクするものなのです。

(了)

写真:金沢21世紀美術館 


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