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山口百恵と山本リンダ
小・中学生の頃は山口百恵が好きだった
父の影響からか、小・中学生の頃の私は山口百恵が好きだった。当時はモーニング娘。などが流行っている中で、私は自宅で山口百恵の歌を口ずさんでいた。
♪あなたに女の子の一番大切なものをあげるわ(一夏の経験/山口百恵)
当時は歌詞の意味も分からないまま親の前でこの歌を歌っていた。
その割に高校生になっても私に彼氏ができることはなく、「初カレ」なるものができたのは19歳の3月31日だった。ちなみに私の誕生日は4月9日だ。しかもその彼氏がついに人生で最初で最後の彼氏になってしまった。
恋に夢を見る思春期。
恋に恋する思春期。
山口百恵の歌の中には夫婦関係を歌ったものも多いが、それでも彼女の歌は「恋をしたい」と言っていた思春期の私の心に響くものがあった。
最近よく聴いている山本リンダ
そんな恋に恋する乙女だった私は成長し、結婚した。男性経験そのものは少ないが、健全なアラサー女らしくそれなりに夜の営みは楽しんでいる。
一方で数年前まではミスコンに出場し、今年は女性のキャリアをアピールする大会であるビューティージャパンにも出場した。
「今は仕事をバリバリ頑張りたい!」
久しぶりに会った親族などにはそう語る始末。
とにかく仕事での成功、仕事での充実感を噛み締めている日々。
そんな中でよく聴いているのはちびまる子ちゃんでもおなじみの「ウララ〜ウララ〜ウラウラデ〜」で有名な山本リンダの『狙いうち』。『狙いうち』は甲子園での吹奏楽部による演奏でも定番になっているから聞けば「あれか」と分かる人も多いかもしれない。
♪見ててごらんこの私
♪今に乗るわ玉の輿
♪磨きかけたこの体
♪そうなる値打ちがあるはずよ(山本リンダ/狙いうち)
♪世界中の贅沢をどれもこれも身にまとい
♪飾り立てた王宮で、かしずく男を見ていたい(山本リンダ/狙いうち)
人前に立つ仕事をし、ステージ上で自分を表現し、連日SNS投稿をしている私はこの歌を歌っていると元気が出てくる。
アラサーの私にとって山口百恵は青臭い
一方で山口百恵は最近めっきり聴かなくなってしまった。決して嫌いになったわけではないが、あえて聴くことはない。カラオケでも歌わない。
その理由はなんとなく分かる。私が山口百恵の歌に共感しなくなったのだ。
恋に恋する思春期の私には、山口百恵の歌詞は響いたかもしれない。しかし結婚し、仕事をバリバリ頑張りたいと思っている私と山口百恵は価値観が合わない。
しかも山口百恵の結婚生活を歌う歌は破局寸前の夫婦が多い印象もある。
どうもアラサーの私が山口百恵の歌詞を見ていると、「女子高生が主人公の少女漫画」を読んでいるかのような気分になってしまう。共感もするし理解もする。若く甘酸っぱい恋に対する憧れもある。でも、どこか冷めている。
山口百恵のキャリアと山本リンダのキャリア
なんだかんだいって、山本リンダは今もステージ上で歌うことがある。一方で山口百恵は結婚と同時にすっぱり芸能界を引退し、今は人前に出てくることはない。
山口百恵の寿引退を高く評価する人は多い。私も子供の頃はそんな山口百恵の引退ステージのエピソードを聞いて「素敵」と思ったものだった。
でも、今の私は「死ぬまで仕事をしていたい」と思っている。働かないなんて無理だし、自分の家族が活躍している中で自分は家にいるというのも無理だ。それくらい今の仕事が私は好きだ。そんな今の私には山口百恵の寿引退はイマイチ理解ができない。
むしろバリバリの衣装を身につけ、ステージ上で老いを感じさせない演技を見せる山本リンダの方がずっと憧れる。彼女のようにいつまでも現役でいたいと私は思う。
山口百恵のことはずっと好きなものだと思っていたし、別に今も嫌いになったわけではない。それでも年齢とともに聴く歌、共感するものというのは変わるのだと実感した。
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