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Go! GORIN BOYS 3

2022 インターハイをふりかえって
川内商工 男子バレーボール部
選手と監督のインタビュー

川内商工(鹿児島・2年連続3回目)戦績

予選グループ戦
川内商工2-1作新学院(栃木)【25-17、23-25、25-15】

決勝トーナメント1回戦
川内商工2-1高川学園(山口)【27-25、23-25、25-23】

決勝トーナメント2回戦
川内商工2-1日本航空(山梨)【21-25、25-22、25-23】

決勝トーナメント3回戦(ベスト16)
近江(滋賀)2-0川内商工【25-19、25-21】

大会予選から1回戦、2回戦といずれもフルセットマッチで勝ち上がった川内商工。決勝トーナメント2回戦、川内商工にとってはこの日2試合目の日本航空戦がハイライトとなった。約半年前、2022春高バレー3回戦でベスト8をかけて戦い、1セット先取しながら、逆転負けを喫した相手。その後、日本航空は初の頂点へと駆け上がった。

予選後、決勝トーナメントの組み合わせが発表となり「ひとつ勝てば日本航空と当たる」と分かった時には、先輩たちから激励のメッセージがいくつも届いたという。チームは団結し、期待にこたえる。1セット目、終盤の4連続失点でセットを落としたが、2セット目はミドルブロッカー古里が8得点と爆発。セットポイントをつかんでから足踏みもしたが、最後は古里のブロックでセットを奪う。3セット目はアタッカー陣が奮起。山野、永田で得点を重ね、接戦をものにした。

リベンジに成功し、さあベスト8へ!と意気込んだ近江戦。ところが中盤まで競り合うものの、相手に連続得点を許してしまう展開に。会場の体育館はこの日から変わり、午前中の早い時間帯の試合。連日のフルセットマッチで疲労はピークとなっていた。よく拾い、粘り強くプレーするが、近江の決定力に少しずつ点差が開いていく。それでも諦めることなく、最後まで食らいつく姿を見せた川内商工。昨年と同じくベスト16の結果を得て、坂口鈴之丞選手は優秀選手に選ばれた。

準々決勝、近江は東山(京都)に敗れる。つづく準決勝、東山は松本国際(長野)にストレート勝ち。九州勢同士の対決となった準決勝もうひと試合は、東福岡(福岡)が昨年のIH王者、鎮西(熊本)を2-1で退けた。決勝は東山が東福岡をストレートで破り、1セットも落とすことなくインターハイを制し、大会は幕を閉じた。

インターハイ終了から間もない8月下旬。鹿児島県国体少年男子チームの練習後、監督と選手に話を聞きました。

田代 博明監督「もうひとつ勝ちたかった」

――いま、振り返って思うことは
「うーん、もうひとつ勝ちたかったですね。日本航空戦までは、ちゃんと一人ひとりが良い仕事して、勝てて。次のベスト8をかけての一戦が、やっぱり…不完全燃焼ですよね。疲れもあったんですが、自分たちのバレーができなかった。もったいなかった、というのはあります」

――近江の印象は?
「関西でも力を持っている常連校で(全国大会の雰囲気に)選手も慣れていますよね。ただ、自分たちがやるべきことをやっていれば、問題はなかったんじゃないかなとも思います。相手はミスが少なかった。結局ミスの差なんですよね。うちが点数取らなきゃいけないところでミスをして、相手にやってしまった。サーブレシーブが崩れて二段トスになり、レフトがブロックに引っ掛けられる…一番やってしまってはいけないことをやってしまった」

――両セットとも序盤は競っていた
「中盤まではいいんですが、そこからの戦い方が全部だめでしたね。中盤以降、リードされても2点差、3点差でついていければ、終盤なんとかできると思っていたが、そこでまたミスが出て、万事休す。2セット目は典型的な負けパターンにはまってしまった。中盤までにリードされて、追いかける状況で相手がやりたいようにやってきて、こちらは守りに入ってしまった」

――修正が難しかったか?
「2年生エースたちで、通らなかったですね。単調な攻撃になってしまって、相手にマークされて、やられた、という感じですね」

――大会を通して得たものは
「3セット、3試合勝ち切ったのは収穫ですし、そこは本当によく頑張ったなと思います。予選の作新学院戦は1セット余計でしたね。2セット目取られる必要なかったんですけど…」

―春高で敗れた日本航空に勝利した
「互いにメンバーは変わっていますけれども、日本航空ですから。同じ高校相手に、負けた相手にリベンジできた、勝ち切れたというのは大きい。高川学園戦は本当に我慢でした。我慢比べの試合で、最後まで我慢しきれた。勝負強さ、試合ごとに成長したかな、というのはあります」

「うちは2年生主体のチームですが、試合に出た3年生3人はよくやったと思います。日本航空戦を取れたのは、第2セット、ミドルブロッカーの古里が8点取れた。彼のお陰です。ミドルで1セット8点はなかなか取れないですよ。相手にここからもくると思わせた。それで第3セット、アウトサイドの2人が生きました」

――古里選手は大会前から好調とのことでした
「ミドルの2人、坂口、古里が本当に頑張って。忠実に自分の仕事をこなした2人ですよ。自己犠牲してチームのために徹底してやった成果です。領家に関しては、左のエースとして去年からやってくれています。ここ一番で領家がちゃんとボールを叩いて決めてくれました」

――控えの深田選手も効いた
「メンバーチェンジで出して、そのままフロントにも回していた。サイドから早い攻撃ができるので、ちょっとリズムを変えるうえで、いろいろ仕事をしてくれました」

――エース山野選手について
「作新学院戦の2セット目は外しました。あまりにも出来が良くないので…使い続けられたら良かったんですが、一度外から見て、冷静にさせようと。それ以降はちゃんと仕事して、頑張ってくれましたね。正直、まだまだ高さが足りないところはあります。もうひとつ上のところでボールをさばいてほしいし、叩けるようになってほしいですね。まだ2年生なので、そのあたりを夏から秋にかけてトレーニングしていきます」

――セッターの森選手
「去年に比べたら冷静にトスを回してくれました。単調にならずに、もっと冷静に。心は熱く、頭は冷静にやってくれれば、また少し違ってくるのかなと。クソーっとなって、人間だから失敗もあります。そこを冷静にカバーしながらできるようになってほしいなと思います」

――リベロの飯伏選手
「よく声を出して頑張ってくれましたね。彼がいる、いないで全く違いますし、身体を張ってボール追っかけますから。負けた時に一番泣いていたのも飯伏でした。試合終わってすぐ泣いてましたね。ずっと声を出して、チームを鼓舞して。永田に対しても、彼があまりに不甲斐なかった時には、胸を突き飛ばす勢いで怒っていましたし、そこから永田もスイッチ入って決め出すということもあった。彼の気持ちの強さ、明るさはうちのチームになくてはならない存在です」

――永田選手は、U18 日本代表入りしアジア大会に参加中(~8月22日)です
「去年は全く試合に出ていないなかで、今年の新チームになってからエースを任されています。日の丸をつけてその世代の代表なんだ、という自信と自覚を持ってやってほしいですね。遠慮というわけではないが、まだ自信を持ってやれていないので、もっと自分をガツガツ出してやってくれればな、と思います。点数もたたき出してくれているが、絶対的なエースにはまだなれていない」

学校はもちろん、町を挙げて応援している

――期待も大きいからこそ
「それにこたえられるように、どう練習に取り組んでいくかが、これからの彼の課題でしょう。筋力もまだないので、筋力をつけ、体幹を鍛えて、身体のバランスをしっかりとして。ジャンプ力を上げて、高さをまず上げないことには、厳しいかなと思います」

取材時、永田は18歳以下日本代表のメンバーとしてイランに遠征。2022アジアカップに参加している。【※文末に追記有り】

「(日本代表の)試合に出る、出ないは別として、あの環境で、日の丸をつけて、国と国との戦いであるあの場にいられる、ということ。学校対学校の大会とは違います。プレッシャーもあるでしょうが、いろんなものを吸収して欲しいなと思いますね」

――上屋敷キャプテンについて
「キャプテンに関しては、しっかりチームをまとめることを求めました。ベンチから見えていることを、ちゃんと指示出して、叱咤激励してくれと。その仕事をきっちり、やってくれました」

――大会を総括して
「結果としては、去年と同じベスト16。去年は予選で負けて、敗者復活戦からの2回戦だったので、試合数的には今年も同じくらい。ただ、今回は勝ち切っていった。決勝トーナメント1回戦2回戦の経験は大きいです。この2年生が来年、国体も含めて戦っていかなきゃいけないということを考えると、いい試合をできたのかなと。今季のラストには春高もありますので、そこで自分たちのバレーができればいいですね」

「小さいチームなので、連戦して最終的にへばってしまうのではなく、連戦でもちゃんと力を発揮できる体力をつけて。コートに立っている選手は確実に成長していますし、それを見ている選手たちも努力しています。来年以降、軸となる選手が出てくることも期待しています」

――準優勝となった東福岡のセッター田代理貴選手は監督の息子さんです。大会ベスト6に選出されました
「本人にとっては個人賞よりも、チームで優勝したかったでしょうけど。鎮西高校とも毎回、紙一重の差で。どこが勝ってもおかしくない試合を、どのチームもやっている。もちろん、私たちにもチャンスは出てくると思います。今回は満足な結果ではなかったので、自分たちの目標を達成できるように、頑張っていきます」

鹿児島県国体少年男子チームでも主力を担う

選手たちのコメント

――上屋敷 遥斗キャプテン
「全試合で3セットしてしまったのが反省点です。初戦は3セットしなくても、自分たちの流れをつかみ切ればストレートで勝てる試合だった。3セットしてしまったのが、大会後半に響いてきたのかな、と。ただ、今まで自分たちは3セットまでいくと負けることが多かったんですけど、取り切れるようになったことは、春からレベルアップしたといえます」

「近江戦は悔しかった。自分たちのバレーが全然できなかった。流れをつかみかけている時に、相手にブレイクされ、流れが来なかった。ゲームを通して自分たちの流れをつくる練習をしたい。大会2日目が終わった時点で体力面、精神面でのキツさを感じていて、日ごろのトレーニング不足を痛感しました。インハイ前、事情もあって走り込みが不十分だった面もある。スタミナ切れは否めなかったですね」

「日本航空戦は、全員が勝つ!という気持ちが強くあり、自分たちで良い雰囲気を作っていけました。2セット目からは、自分たちの持ち味である高速コンビバレーができていたので、2セット、3セットと取れたと思います」

――2セット目はマッチポイントになってから苦しんだ(24-16から24-22まで追い上げられる)
「コート上の選手たちには緊張感もあったと思います。フルセットになった場面で、どれだけ自分たちのバレーを意識してできるか?というのをもっと高めていきたい」

――飯伏 香矢マネージャー
「初戦からフルセットの試合が続き、選手は疲労もたまって、近江戦では全力のプレーではなかったと思う。けれど、フルセットのゲームを勝ち切れたことは大きい。特に決勝トーナメントに入り、勝ち上がれば日本航空と当たることになり、去年の先輩たちから『リベンジ頼む』と連絡が来ていた。勝てたことは良かったです」

#6 領家はゲームキャプテンを務める

――領家 健太選手
「去年、IH、春高と出場することができたので、緊張はなかったです。大会の印象…どのチームも高さも技術もあると感じました。初戦から日本航空戦までは、自分のストレートが決まり、調子も良いなと感じていた。近江戦では疲れもあり、自分のプレーができなかった。試合前に、監督からも『研究されてるぞ』と。ストレートで打っていたところをクロスにしたりと、変えていったんですが、それも止められてしまい…。レセプションでは、オーバーのところに来た時には返せても、前後で揺さぶられた時に返球の精度が低くなって、Bパスになってブロックに引っ掛かってしまいました」

「チームとしてここ1点を取りたい!というところで、取れるようになった点は成長だと思います。去年は3年生に引っ張ってもらって、自分たちも伸び伸びとできたので、今年は自分たちが引っ張っていけるように。(今年のインターハイは制限付有観客開催となり)一緒に戦っている感じを味わえたのが、今回初めてでした。日ごろサポートしてくれる保護者や先生方に恩返しできるよう春高に向けて頑張っていきたい、と改めて思った大会でした」

大会優秀選手に選ばれた #3 坂口

――坂口 鈴乃丞選手
「大会の印象は…負けた試合では前半で自分たちが慌ててしまって、自分たちのミスで相手にリードを許したので、慌てないように。自分たちが先手を取れるようにしたい。アタックについては(森)日々輝があげてくる、というのは分かったので、決められた点は良かった。(自己採点は?)40点くらい。高川学園戦ではクイックも決まらず、ブロックもダメ。3セットして1本くらいしか決められなかった。ブロックがダメダメでした」

「初戦は慣れなくて慌てたが、以降は自分たちで試合に入っていく雰囲気を作れた。近江戦はローテーションを回していけていたんですが、相手のツーアタックを止められずに、ブレイクされてしまった。(勝てば準々決勝で対戦の可能性があった)東山とは5月くらいに対戦して負けていたので、試合したかったですね。九州の強豪校、鎮西や東福岡に自分たちも追いつきたい。今後に向けては、Bパスからでもクイックを使えるように。相手のスパイクにワンタッチして、そこからの切り返しでミドルを使っていけるようにしたいです。川内商工のバレーはミドルが頑張らないと、サイドが苦しくなる。役目を果たせるよう、頑張っていきたいと思います」

今大会、躍動した #11 古里

――古里 唯斗選手
「インハイ前から調子は良かったが、作新学院戦では自分が機能していなかった。そこから少しずつ調子を上向きにすることができました。日本航空戦の2セット目はミドルが効いて、サイドが楽に打てた。ミドルが機能すれば楽にゲームが取れるんだな、というのを実感したセットでした」

――中学時代はサッカー部
「入来中では3年間サッカー部で、中盤のボランチをやっていました。小5から、姉の影響で自分もやってみたいなとバレーを始めて、やったのは実質1年半くらいですかね」

他のスポーツをやっていて、3年間ブランクがある選手というのは、インターハイ出場選手の中でも珍しいのではないか。並行して他のスポーツもやっている選手はいるだろうが、古里選手のキャリアは異色と言える。

――高校から、いきなり県内トップレベルのチームに入ったわけですが、不安や焦りはありませんでしたか?
「最初はありましたけど、チームになじんでからは上手くなりたい、という一心で頑張ってきました。不安はなかったです。戦術理解は、1年生の時はまったく知識がないし、試合には確実に出られないので、先輩たちが話すのを聞いて、勉強する感じでした」

――最近のバレーでは、足技でディグするシーンも多いので、いつか披露できたらいいですね!
「まあ、はい。(笑)」

――春高の日本航空戦は出ていない。相手にとっては新顔でした
「春高までは(永田)凜郎がクイックを打ったりして、負担をかけていた。自分が入れば、サイドも楽になるから、時間差も多く使えるようになって、商工のバレーを追求できると思います」

――とにかく、跳び続けました
「ブロックを引きつけるために、何が何でも入らないといけないし、跳んで、相手にこいつ打つかもと意識させるのが仕事。ミドルはどんなボールでも入っていって跳ぶ。それが決まりです。毎回、打つ気で入って、来たら叩く。来るかどうかは(森)日々輝のタイミングです。春高予選までに自分がレベルアップして、時間差を決めやすくして、チームに貢献できるように。春高には絶対に行きたい」

――これからは相手のマークもくる
「そこは決めきる、ていうか。頑張ります(笑)」

2年の#2 森(左)1年の #12 小園(中央)2年の #7 深田(右)

――深田 彩太選手
「去年はほとんど出ておらず、今年が初めてのようなものでした。途中出場する機会が多かったんですが、緊張することなく楽しみながらバレーができたのが良かったです」

――リズムを変えたい時に投入されていた
「サブのメンバーが入ると、いい意味でも悪い意味でも流れが変わることがあるから、出ることにプレッシャーもありますが、期待にこたえられるようになりたい。近江戦では何もできなかった。今までで一番、悔しさが残る試合になりました。試合の終盤にかけて、相手が強くなってきた時、高さのあるチームと対戦した時、自分がどう商工のバレーに貢献できるか、というところを意識してやっていきたいと思います」

――サービスエースもありラッキーボーイ的な存在。チームを活気づけた
「両方の祖父母が奄美から応援にきてくれたので、笑顔でプレーしたいと思っていました。初戦の出だし、緊張感がある時、雰囲気が暗い時。ムードを変えたいなと思って、笑顔でプレーすることを心がけていました」

普段からニコニコとしている深田選手。眼差しの奥には、次へと向かう炎が宿っていました!

チームの柱を担う #8飯伏(左)とエースの #4山野

――山野 日雅選手
「大会を振り返って…高川学園戦、日本航空戦と、3セットになったが勝ち切れたのは良かった。近江戦は自分たちの力を出し切れずに負けたのが悔しい。正直、疲れはありました。勝ちたい気持ちはあり、頑張ったんですが…。相手に(ブロック)3枚つかれたりと、対策をされている感じはありました。気持ち良く打てる場面はほとんどなかったです。それでも今年は、去年よりは良かったかと思います」

――予選の2セット目、一時コートから外れた
「1セット目がスパイクもレセプションもボロボロでした。1本目のサーブミスを引きずり、自滅してしまった。自分をコントロールできなかったのは反省です」

――いつも山野選手のサーブで試合が始まる
「入れないといけない、かつ決めないといけない、というので緊張はあります。全国の高さに対抗するために、ジャンプ力も技術も上げて、頑張っていきたい。春高ではベスト4に入りたいです!」

――飯伏 貴斗選手
「高川学園戦、日本航空戦は自分たちで話し合って、プレー中も会話しながら楽しくできた。近江戦は対応されているのを感じました。何もかも上手くいかなくなって会話も少なくなり、自滅して負けたので、悔しかった。2年生が足を引っ張ってしまったという思いがあります。2年生が頑張れば、3年生が決めてくれたので。もっと自分たちで引っ張っていける、チーム全体を上げていけるような、2年生にならないと…」

――コート上でキャプテンシーを発揮していた
「リベロなので自分が点を取ることはできない。けれど、ボールを拾うだけがリベロじゃない。チームを動かす、落ち着かせる、そういう面は意識して声出ししています。自分が声を出さないと盛り上がらないし、レセプション、焦っている時に落ち着かせるのがリベロの役割。それは日ごろから意識してやっています」

――ナイスディグもありました
「もっと上げられる場面もあったと思います。チームにブレイクチャンスをあげられるような、リベロにならないといけない。今回、レセプションは良かった。ディグの面でも、もっと貢献できるようになりたいです」

――近江戦、真っ先に涙がこぼれた
「3年生とのインターハイはこれが最後というのと、もっとできたんじゃないかという悔しさが出てきて、あまりにも悔しすぎて、泣きました(笑)。全国で勝ちたい、ベスト4という目標を達成したいので、去年のベスト16を越えられなかった悔しさなど、いろんな感情が湧き出て涙が止まりませんでした。春高では、これで勝てる!というチームを作って、ベスト4を目指します。自分たちがやり切ったと思えるようなチームを作っていきたい」

――森 日々輝選手
「いま思うことは…インハイが終わって、それぞれ課題が見つかったので、春高ではインハイで出来なかったことをできるようにしたい。個人の課題としては、時間差が攻撃の決め技なので、マークを外すためにも、時間差以外の攻撃も使っていきたいと思います。毎試合フルセットで、体力的にも最後まできつかった。疲れている時でも、自分たちのバレーができるようなスタミナ、精神力を培っていきたいですね。試合の最後まで、ゲームをコントロールしたいと思っていたが、なかなか難しかったです」

――攻撃の枚数は増えてきた
「勝負強くなったと思います。時間差を使い、ミドル陣が決めたら自分たちの流れを作れる、という手ごたえはある。ミドルとの攻撃の精度を上げていけたらと思う。相手も時間差だと読んでくる。マークされないために、攻撃の手数を増やしていきたい」

――ツーは出なかったかな?
「試合での余裕がそこまでなかったです。ワンハンドトスは(狙ってやったのではなく)瞬時の判断でやったと思います(笑)」

「目標はベスト4なので、もっと強くならないといけない。去年、今年と出場してきたので、自分からチームに積極的に関わっていきたい。秋の春高予選、コートでは2年生が多いですし、去年の経験者として、チームを引っ張っていきます」

1年生で唯一ベンチ入りした小園

――小園 壱選手。初のインハイはどうでしたか?
「インハイは最初から雰囲気良くやれていて、最終的には疲れもあったと思うけれど、最後まで頑張っていた先輩たちの姿はかっこよかったです。少しだけでも出たかったですね」
――自分が出たらどうする、というのは考えていた?
「はい。(おっ!ホントに?)試合を見ながら、自分が出たらこうする、という準備はずっとしていました。春高予選、本選では少しでも出られるように、頑張っていきます!」

これからの軸となる1年生にも期待です
樟南高校から国体チームに参加している選手。「やっていて楽しいです!」
つかの間の休息を経て…ゲームは続く

永田 凜郎選手が選出された18歳以下日本代表チームは現在、テヘラン(イラン)で開催されている2022アジアカップに参戦中。日本は予選を勝ち抜き、準々決勝クウェート戦に勝利して、来年のU19世界選手権の出場権を獲得。この試合では永田選手も出場機会を得て、得点をあげました。日本は準決勝で韓国に勝利し、決勝進出。2022インターハイでも活躍した選手たち。次代の龍神NIPPON、彼らの成長に期待が高まります。


2022年8月 取材・文/泊 亜希子
Writer's Talk
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