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埼玉西武ライオンズがこんなにも弱くなった理由

 2024年7月11日時点でライオンズは借金29、5位のイーグルスとのゲーム差が13と歴史的な弱さで最下位に沈んでいます。ライオンズの低迷の大きな原因になっているのが歴史的な貧打です。チーム打率は.205、チーム得点数はリーグ得点数5位のバファローズと比べて65点も少なく、正直、実力レベルがファームの野手が1軍の試合に出場しているという状況になっています。つい5年前までは球史に残る強力打線を誇ったライオンズがこのような状況になった理由について考えていきます。

①野手弱体化の始まり

 ライオンズの野手が弱体化する大きなきっかけになったのが、2018年のシーズンオフに浅村栄斗選手が移籍したことです。

 浅村選手の移籍後、浅村選手が長年守っていたセカンドのポジションには外崎修汰選手、3番の打順には森友哉選手が入り、この2人の大活躍もあり、ライオンズは下馬評を覆して、2019年にリーグ連覇を達成しました。しかし、外崎選手は2018年シーズンに主にライトを守っていましたが、このライトのポジションの後釜を準備していませんでした。ライオンズの外野陣は長年、秋山翔吾選手が絶対的なレギュラーとして君臨していましたが、秋山選手が2019年のシーズンオフに移籍したことで外野手の人材不足が一気に表面化、ライオンズはついに5年もの間、外野手のレギュラーを出せずにいます。正直、浅村選手が移籍をした際に手を打っていれば、ここまで酷い状況にはならなかったと思います。

②2020年ドラフト入団の大卒野手の失敗

 ライオンズが野手の戦力低下への対策を取るのが遅かったのは間違いありませんが、2020年のドラフトで入団した3人の大卒野手(育成ドラフトは除きます)がチームの軸になることができていれば、今のライオンズの状況は変わっていたと思います。

 2020年のドラフトでライオンズは1位指名で渡部健人選手、4位指名で若林楽人選手、6位でタイシンガーブランドン大河選手の3名の大卒野手を獲得しました。若林選手とブランドン選手は1年目から開幕1軍を勝ち取り、渡部選手も4月に1軍の試合でホークスの和田毅投手から本塁打を放ち、大きな期待を集めましたが、若林選手はライオンズで結果を残せず、トレードでジャイアンツに移籍、ブランドン選手は毎年怪我に苦しんでおり、渡部選手も1軍の戦力としては現状、機能していません。即戦力として入団した3人が誰1人として、レギュラーどころか1軍に定着できていないのは、ライオンズとしても大きく当てが外れた部分だったと思います。若林選手が1番バッターとして、渡部選手が山川選手の後継者として、ブランドン選手がサードのレギュラーとして、誰か1人でも実現できていたら、ライオンズがここまで貧打に苦しむことはなかったと思います。

 渡部選手とブランドン選手は今もライオンズに在籍しているため、今後、ライオンズで活躍する可能性はありますが、現状、過度に期待はできないというのが正直なところです。

③ライオンズの野手は育つという根拠のない自信の蔓延

 私はライオンズが弱くなった最大の原因がこれだと思っています。ライオンズは一時的に野手に苦労をする時期があっても、軸になる野手を多く輩出していました。そのため、ライオンズは野手の育成が上手いという評価がありました。しかし、源田壮亮選手と外崎選手がレギュラーに定着して以降、ライオンズは外野手に限らず、チームの軸になる野手を輩出できていません。

 首脳陣やフロント、選手自身やファンでさえも、どこかで「ライオンズは野手が育つ」という根拠のない自信を持ってしまい、そのまま5年の月日が流れてしまったのが正直なところだと思います。

④今後のライオンズ

 2012シーズンオフに中島裕之(現 宏之)選手が移籍して以降、ライオンズは4年もの間、ショートのレギュラーを固定できずにいましたが、源田選手の入団によって、長年の課題が一気に解消されました。今のライオンズも誰か1人、軸になる選手が出てくれば、状況は変わると思います。

 長年、苦労をしていた投手陣も髙橋光成投手、今井達也投手、平良海馬投手が出てきたことで全体の意識が上がり、「ライオンズの大卒左腕は活躍できない」という歴史も隅田知一郎投手と武内夏暉投手の活躍で終止符を打ちました。

 今の野手陣はファン目線で見ても、実力不足にも関わらず、自分のやりたいことをやっているだけで、相手が嫌がること、できることをやっていないのが伝わります。首脳陣の問題もあるとは思いますが、結局、プレーをするのは選手自身です。最終的には選手が強い意識を持って、試合や練習に取り組むしかないのです。


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