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書籍は構成が命~初心者が「途中で泥沼」を避けるために覚えておくべきこと

ブックライターはいまだブルーオーシャンである。「書ける人がいない」とあちこちで聞く。仕方なくWEBライターや雑誌系のライターを使ってみたところ、途中で作業が進まなくなってしまった、などというお話もしばしば耳にする。

大量に書いてきた立場から言うと、ほとんどの場合、原因は構成の甘さにある。とはいえ、ブックの構成作りはかなり難しい。そこで、このテキストでは、経験が少ない人でも、とりあえず構成を作れるようになる秘技を伝授する。

※画像はUnsplashNick Morrisonが撮影した写真


◆途中でスタックするのは構成が脆弱だから

「ライターが飛んだ」というお話をつい最近、ある出版社の社長から聞いた。あるスポーツとビジネスの関係性を語る書籍を書いてもらうはずだったのが、待てど暮らせど原稿が届かない。連絡しようにも電話にも出ないという。

採用したライターは専門誌の編集者だったらしい。そのスポーツに詳しいので大丈夫だろう、と採用したら、まったく筆が進まなかったようだ。経験上、書籍には他の案件とは次元の違う難しさがある。

10万文字という文字数は単に書くのに時間がかかることを意味しない。扱う情報量が格段に多いので、途中で混乱しスタックしてしまうことが多いのだ。
「あの情報はもう書いたっけ? でも、ここでは別の角度から扱う必要がありそう。あれ? この話はどこかで書いた情報と矛盾してるかも……」
こんな風に混乱し始めたらもうたいへん。抜けだすのは至難の業だ。

5000文字くらいまでなら、ノリで書き切ってしまえるライターも少なくない。だが10万文字は無理である。同じやり方で書き始めたら、ほぼ間違いなく途中で混乱し始め、論旨が崩壊する。

そうならないために、構成を作るのだが、WEBや雑誌のノリで作ったものではたいてい堅牢性が足りない。10万文字という文字の重さを支えきれないのだ。

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