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実例から学ぶ「ストーリーテリング」を活かしたマーケティング

ストーリーがブランド力を強化。「ニトリ」のランドセル

全国展開している大手家具メーカー「株式会社ニトリ」。同企業の経営理念、一度は耳にしたことがないだろうか?

「お、値段以上!ニトリ」

つまり『お値段以上』の価値を顧客に提供するという経営理念である。ニトリの商品は、常に手頃な値段設定以上の価値を追求している。そんな商品のブランド力を「ストーリーテリング」というマーケティング手法で強化。販売実績に上手く繋げている商品が同社の「ランドセル」だ。

家具メーカーでありながら、同社のランドセルは『全国の人気ランドセル実態調査』でトップ6に入るほどの信頼と成長を見せている。

参考:全国ランドセルメーカー・工房・ブランド人気ランキング

ストーリーテリングとは、その名のとおり「物語」を通して商品価値やブランド力を伝えるマーケティング手法。今回はニトリのランドセルを例にして、ストーリーテリングの具体例や効果について詳しく見ていく。

ニトリのランドセルから見るストーリーテリング

1.ブランドイメージに沿った「挑戦」ストーリー

ニトリのランドセルの開発背景には、企業理念に通ずる挑戦ストーリーが語られている。値段以上の価値を提供する為に、どんな課題や困難に立ち向かい克服してきたのか。

ランドセルの開発ストーリーで語られている内容は以下のとおり。

・高品質且つコストダウン探求というストーリーの原点
・国内メーカー、海外工場で試行錯誤した日々
・世界的評価を持つ人工皮革メーカーとの新商品開発
・老舗鞄メーカーや職人連携によるコストダウン実現
・お客様からの低評価を克服した売り場づくり

ランドセル開発の出発点から、直面した課題や試行錯誤の日々。開発のきっかけになったメーカーとの出会い。そして顧客に購入してもらうゴールの前に立ちはだかった苦難など。

リアルで起伏に富んだ開発ストーリーを伝えることで、顧客に興味、関心を持たせる。そしてブランドイメージに偽りのない商品価値を、ストーリーの中で自然と伝えていく。ただの商品説明ではなく、ストーリーを用いた温度感のある情報を伝えるのだ。

2.ストーリーから伝わってくる明確なベネフィット「耐久性」

ランドセルの開発ストーリーでしっかりと顧客に主張されているもの。それは顧客が商品から得ることが出来るベネフィットである。興味を持ち読み進めていく文章の中に、商品購入によって得られる価値も盛り込まれている。

ニトリがランドセル開発において顧客に届けたかったベネフィット。それは小学校で6年間使用しても耐えられる丈夫さ、ランドセルの「耐久性」である。値段が高くて品質が高いのは当たり前。ニトリのランドセルは価格が手頃なのに、耐久性も他のランドセルに引けを取らないのだ。まさしく「お値段以上」である。

ストーリーテリングでは、ただストーリーを語れば良いという訳ではない。ストーリーから読み取れるベネフィットを盛りこむことも非常に重要である。

3.温度感のあるストーリー「感情・想い」

離脱することなく読み進めてもらう為に、感情移入しやすい感情や想いを盛り込むことも大切だ。 つまり、発信者側の熱が伝わるような温度感のあるストーリーである。

ニトリのランドセルストーリーに登場する温度感のある表現

・ランドセル業界の常識に一石を投じたい
・コストダウンへの努力を置き去りにしたくない
・努力とこだわりを売り場の一人ひとりに伝えた

読み手の心に響くような表現も積極的に用いてみる。つまり温度感のあるストーリーに仕上げることも大切なポイントの一つだ。

マーケティングスキルとして効果的なストーリーテリング

ニトリのランドセルを実例に、ストーリーテリングというマーケティング手法についての基礎を見てきた。突き詰めていけば、まだまだ奥の深いストーリーテリング。まずは基本の考えを理解し、ビジネスシーンで実践してみるのが習得への近道。

理論を理解し使いこなせるようになれば、購買行動へ誘導できる強力な武器となる。さぁ、今すぐストーリーテリングという武器を得る為に動き出そう。

参考:ニトリのランドセル


著:TARA

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