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あかぬけ部屋 vol.01 捨てるに捨てれなかったもの

部屋を小綺麗に垢抜けさせたい、オシャレにしたい、と何度思ったかわからないほどインテリアの本を読み漁っていながら未だグダグダと部屋が定まらず、微妙な散らかしっぷりの中で生きている。

あかぬけ部屋は、部屋が垢抜けたぞと思えるまで書き続けようと思う。


綺麗な部屋に住みたいー
片づけが楽な部屋に住みたいー

歳を重ねて、最近はそう強く思う事も増えた。

コロナ渦以降、家での生活が増えてからその気持ちは強くなったように思う。家の中で生活すると、おのずと散らかり、貴重な休みを片付けや家事に時間をとられてしまうという事が嫌で嫌で仕方なかった。

なんで毎週、家事で1日が終わるんだろう?
この疑問は消える事のない謎として毎週毎週味わっている。

一人暮らしで洗濯を毎日するほどの量が出ないから…とまとめて洗う癖があるから週末は必ず洗濯する羽目になる。
皿洗いは、3食分、少しずつ毎度山積み。
買い物も週末にするから、午後は大量の買い出しに行く。

「少量だからいいや、後でいいや」が徐々に積もり積もって、貴重な休みの午前と午後の主要時間は大抵家事で終わっている。

コロナ渦で、収入が減り ダブルワークを始めるとますます家の時間が無くなって ヘロヘロで家事をするまでに至らず部屋が荒れていった。

こんな落ち着かない日々はもう嫌だ、ということで 私は一人暮らしに似つかわしくない大量の物を捨て始めた。

ワンルームに住んでいるとは思えないほどの荷物、荷物、荷物。
箱、箱、箱、箱…
捨て始めたのは2020年の10月、今頃の時期の事だった。

引っ越しした当初、とりあえず放り込んでおけ・とベッドの下に大量に放り込んでいた謎の箱を捨てまくった。多趣味でオタクのため、雑貨が多かった。本も好きで、読まなくなった本もたくさんあった。
段ボール7つ分ぐらい、ごみを捨てた。

やっとスキマらしいスキマが出てきて、何とかワンルームでの生活が最低限心地よくなったがまだまだ改良の余地あり・という状況で終わった。
その片づけから落ち着きだした頃、部屋はすっきりしたものの、あまり変わらない家事の量を見直して、今度は台所とクローゼットに手を入れ出した。

台所はというと、一人暮らしなのに大量にもらった醤油10本や6セット分の食器、謎に多いお弁当箱。1年以上使わず場所だけとっている食器もかなり多かった。そしてよくある賞味期限切れのレトルトやドレッシングたち。
冷蔵庫の中と合わせて全部捨てた。

自炊が好きだから、無駄に100均でお皿を買ってしまう癖があるから、皿がとにかく多かった。飽きて使わなくなったものや使い勝手がイマイチだったり、何となく2個セットで買った物は、全部捨てた。

そしてスペースが出来た後、本来欲しかった保存容器やジップロックなどを買って置けるスペースが確保。100均で安物の皿ばかりを買わず、長く使える皿を探し始めている。良いものを見つけたら、100均の皿と交換して置き場を作ってあげたい。

クローゼットの方はというと、10年以上前に使っていた就活のスーツ、痩せたら着ようと思っていた流行りの過ぎた服を中心に捨てた。
クローゼットから半分以上、服が消えた。

どれだけ着ない服をしまい込んでいたんだろう。

こうして文字として起こすと、私の部屋を構成しているものが何と古めかしいことだろう。

改めて冷静に考えて、就活スーツなんてとりあえず色が黒だから冠婚葬祭に使えるなんて20歳の頃は考えていたけど、どう考えても冠婚葬祭で就活スーツなんて着ない。
もう30歳をゆうに超えていて、そんな身なりをする事もない。
改めて考えると、なんで後生大事に持っていたか今となってはよくわからない。


2021年の4月末、ゴールデンウィーク初日の日の夜。
子猫を4匹保護した。大雨の中、野良猫の母親が戻らず雨に打たれていたのを見つけてしまった。死なれても気分が悪く、半ば成り行きで保護した。

そのうちの1匹が今もそばにいるが、大きくなるにつれ 様々なものを子犬のようによく壊した。服には穴をネズミのように開けてみたり、そうして破るモノの大半は捨てて問題のないものばかりだった。

どういう理屈かはわからないけど、かなりモノが減った後、元恋人からもらったものや何となく捨てられないモノは猫が全部壊した。

捨てるほどでもない、しかし二度と使う事もない。
感傷のように残ったモノたち。

しまい込んで忘れていたモノも、どこからともなく猫が掘り出して家に帰ってくればボロボロになっていた。

もう二度と人生に関係のないモノ(思い出)を猫が全部壊してくれたのかもしれない…なんて思うこともチラリとあった。

そうして捨てていく事、かれこれ1年。

やっとワンルームのスペースに、勉強が出来てベッドをソファ代わりにできるような空間を作ろうと考えて インテリアをどうするか考えられるような段階となった。ついに家具購入を考える段階に到達できた。

これで完成!とまでの答えはまだ出ていないけど、前よりは生活しやすくなったと思う。台所から皿が減ったので自然とこまめに洗うようになり、洗濯も服が減って管理しやすくなった。
やっと呼吸しやすくなったような感覚になって、休みを楽しめるようになった最近は生活が楽しい。

思いのほか、思い出の品まで猫のおかげで捨てる事となったが、過去にとらわれなくなったようにも思うし、前向きな気分を保てているように思う。


モノを捨て始めた頃、買うことについて考える事も増えた。

買ったまま放置するものは、本当に必要じゃなかったもの・という言葉に出会ってからそれから買う前に袋に入れっぱなしにしないかどうかというものが基準の一つになった。
買って袋に入ったままのものは、そのまま捨てる事も多かったなと妙に的を得ていたから。段ボールで大量に捨てたモノも新品がかなり多かった。

帰ってきたらすぐに必要な場所へと片づけてしまうようになった。
買って帰ってきた時、片づけられないもの=何となく勢いで買ってしまったが不要なモノと区分けがはっきり出来て、無駄な衝動買いはかなり減ってしまった。

何よりそんなものを廊下に置き去りにしておけば、うちの猫が全部壊しにやってくるのだから、放置も出来ない。

部屋があか抜けていくきっかけを作ったのは一匹の猫のおかげといっても過言じゃないかもしれない。


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