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映像で見せてもらえませんか?(えせエッセイNo.7)

書籍の予約なんて久々かも。たしか、前に予約して購入したのは、カマたくさんの『お前のために生きてないから大丈夫です』だったはず。3年前のことだ。

なんと、『大丈夫』つながりだった❗❗

予約して購入したのは、岸田奈美さんの『国道沿いで、だいじょうぶ100回』。我ながら、良い買い物をしたと思う。

じつは「奈美さん大好き💖」なのだが、はまらない人にははまらないらしい。わからなくもない。なぜなら、エッセイ自体を好まない人も多いからだ。

私自身も以前は、さくらももこさんのエッセイを面白いとは思えなかった。どうしてなのか、自分でもよくわからない。

言葉の重みや表現方法を模索するうち、いつの間にか面白いと思えるようになっていた。どうしてこんなたとえができるのかと。

読んでいると、あたかも自分がそこに居るかのような感覚に陥る。その場面がまじまじと目に浮かぶのだ。映像化されたかのようなその表現に、半ば嫉妬しっとしてしまう。

そんな、岸田奈美さんの書籍を何冊も買ったが、今回はかなり🉐だった。岸田奈美さんのnote『キナリ★マガジン』の初月無料購読特典がついていたのだ。喜び勇んでお得感をXに投稿したところ……

岸田奈美さん本人からリポストされた㊗

こちらが証拠画像

ヤバい、心臓が止まりそう。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ……」
100回唱えてから確認したら、ゆっくりだけど、一応心臓は動いていた。私の心臓は1分間に45回程度しか動かないらしい。ギリギリ生きてる。

『キナリ★マガジン』の月額1,000円は意外とキツイので諦めていたが、たった1ヶ月だけでも夢を見させてくれた。神様、仏様、奈美様、ありがとう。

勝手に添削サービス

前回に引き続き、勝手に記事添削サービスを展開中。

今回もX友達のnanaさんの原稿を添削した。執筆中の原稿に少し飽きてきたのもあり、息抜きとしてもちょうど良いタイミングだった。

見せてもらった原稿は9割完成といったところ。ざっと読んでみた感想をDMで連絡してみた。

「深さ」でパッと思いついたのが深海だったので、思わず書いてしまいまった。面白くもなんともない表現に落ち込んだ。自分こそ、もっと深さが必要だったのだ。

深さとは書いたが、実際にnanaさんの記事を読んでみても、全然映像が浮かばないのだ。写真が添えられているので、ある程度は理解できる。しかし、全体を通じて、調味料をつけ忘れた白身魚のような淡白な印象なのだ。

約2,000文字の記事を読んでいるのに、120文字前後のディスクリプション(記事概要)を読んでいるかのような印象すら受けた。

たとえば、「漁業が盛んな地域」とひとことで済まされても、どのような地域なのかまったくイメージが湧かない。

漁業が盛んって、こんなイメージかな?

せめて、どのような魚が水揚げされているのか、どのくらいの水揚げ量なのかくらいは知りたい。ぴっちぴちの鯛なのか、のっそり動く蟹なのか、もしくはアーロンのような強靭なノコギリザメなのか……

「生物は みな 生まれながらに平等じゃねェんだよ」ノコギリのアーロン

間違った妄想で、脳内では収拾のつかない映像化が始まってしまった。

責任者出て来い❗❗

nanaさんの記事は、最後に「従来の水族館のイメージとはまるで違う」と締め括られていた。さらに疑問が膨らむ。

「従来の水族館のイメージ」って、どんなイメージなんだろうか?

私がイメージする水族館と、あなたが抱いている水族館のイメージが同じとは限らない。むしろ同じであるはずがない。住んでいる地域が違えば、行ったことのある水族館も違うだろう。

私のイメージする水族館は……

入口に入った途端、オオサンショウウオがわらわらとひしめき合い、
「天然記念物も、これだけ多いと有難みが薄れるわ」
のイメージだ。

ほかの人の抱くイメージが気になって気になって、夜しか眠れなくなってしまった。nanaさんの抱く水族館は、いったいどのようなイメージなのか。ドラマチックかつスリリングに描いてほしい。正しく映像化されるように。

だいじょうぶ、だいじょうぶ。
すぐに映像化されるはず。

見ていないものが多すぎる

そんな折、岸田奈美さんの『キナリ★マガジン』の記事を読んだ。全盲の落語家・桂福点さんの話だった。桂福点さんのことは知らなかったが、記事の内容がタイムリーな話題だったので、深く胸に刺さった。

胸に刺さったというか、刀が刺さって背中まで突き抜けたかもしれない。

記事タイトルも素敵だ。SEO的には0点かもしれないが、「えっ?どういうこと?」と気になってしまう。いつもならモヤモヤして夜しか眠れないところだっただろう。

しかし、幸いにも『国道沿いで、だいじょうぶ100回』の特典により有料部分が読めた。モヤモヤせずに済んだ。

記事の内容を要約すると、「もっと解像度を上げていこうぜ~!」という話と受け取った。岸田さんは、「見ていないものが多すぎる」と表現している。

その一文を読んで、ハッとしてグーだった。パッと目覚めるべきなのだ。

たとえば、先日スーパーで買ってきたトマト。見た目は赤くて美味しそうなのに食べてみたら硬くて歯茎に刺さりそうになった。というか、刺さった。

ね、全然伝わらない。
そういうこと。

その場に居合わせなかった人が、リアルな映像をイメージさせるような表現をすべきなのだ。残念ながら、私にはまだまだできそうにない。

「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と100回くらい唱えたら、表現できるようになるだろうか……

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