興味のないジャンルの長文は読めません(えせエッセイNo.10)
興味のないジャンルの内容が書かれた長文を読むことほど、苦痛なものはない。
職場の同僚Yさんから社内メールが送られてきた。Yさんは、行動パターンを見て引いてしまうほどのジャニヲタ(今はスタヲタと呼ぶらしい?)だ。そんなYさんからのメールの内容は下記のとおり。
「この謎解きをして💕」
謎解きはディナーのあとで……と言いたいところだが、少し眠くなり始めた午前10時のできごとだった。ディナーには程遠い。
彼女の言う「謎解き」とは、「文章の意味がよくわかんないんだけど」の意味らしい。社内メールには、URLが添えられていた。
示されたURLの内容は下記の2つ。
「会員限定ファンクラブイベント『おふうかい』受付開始」の案内
「電子チケット用顔写真登録のお願い」
どうやら、ファンクラブイベントの電子チケットに顔認証があるらしい。顔認証ってどうなのだろうか。若い頃、仕事でイギリスに行ったとき、空港で「アナタ、シャシンとカオがチガイマスネ」(英語で)と言われて困惑した経験を思い出した。危うく帰国できないところだった。
サイトを開いて見てみると……
長い。長すぎる。
まったく興味のないジャンルの長文は拷問である。3行読んだところで、上瞼が「閉店ガラガラ」と言いながらピシャリと閉じてしまった。どうやら自動シャッターになっているらしい。
「読めませんでした」
そう社内メールに返信した。Yさんには申し訳ないが、物理的に読めない仕組みになっている。無理なものは無理なのだ。無い袖は振れぬ。袖触れ合うも他生の縁とはいうものの、タンクトップならば諦めもつくだろう。
しかし、残念ながらYさんは許してくれそうにない。Yさんは必死なのだ。不安なのだ。Yさんはファンイベントに命を懸けている。
イベントに行って、「アナタ、シャシンとカオがチガイマスネ」と追い返されるようなことがあってはならないのだ。
再度「読んでよ💢」の社内メールが届く。もはや読まないという選択肢はないらしい。
しかし、まったく興味が湧かない。そこで、どの辺りが謎解きなのか聞いてみた。
すると、画面をキャプチャした画像の文章にアンダーラインが引かれて送られてきた。電子チケットを購入してから、名前と顔写真を登録しなければならないことはすでに理解できていたようだ。
問題は、来場した際の「アナタ、シャシンとカオがチガイマスネ」状態のときの対応策についてだった。説明によると、「写真が怪しいと判断したら身分証明書を確認するよ」とのこと。
身分証明書として利用できるのは、免許証やパスポート、学生証などの写真付きのもの。もしくは、保険証や住民票などの写真のないもの。ただし、写真のない身分証明書は2通必要らしい。
最近の流れだとそうなるな……という感じだ。
じっくり読んでみると、理解できない内容ではない。むしろ内容としては簡単な部類だと感じた。
記事を書く際に意識しなければならないのは、下記「3つの壁」。
読まない壁「Not Read」
信じない壁「Not Believe」
行動しない壁「Not Act」
今回は「読まない壁」をなかなか乗り越えられなかった。会員向けの案内ということもあるが、まったくワクワク感がない。反面教師として、とてもよい教材だった。
しかし、実際に読んでしまえば、謎を解く必要はまったく無い内容だ。文章自体が長く、興味のない人にとっては理解できないかもしれない。しかし、興味を持っている人なら、理解できないわけがない。
それでは、どうしてYさんは謎解きなどという言葉をわざわざ使ったのだろうか。
真意はどこ?
Yさんは言う。
「友達名義のIDに自分の写真を登録したら、当選確率は上がるよね~って話」
思わず富澤さんを召喚してしまった。
不正か。不正するために謎解きをしてたのか。
「許されるのは三つ子まで」
すかさず返信した。コンサート会場が金太郎飴になってしまっては、菊池風磨もびっくりしてしまう。
不正は良くないと伝えてはみたが……
「不正することしか考えてないです」
とYさん。
無理だろう。
不正されないための対策なのに。
乞うご期待💦
文章が短く書けるように修行中。取材記事・SEO記事の執筆依頼は下記まで。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?