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一夜限りのギグ(えせエッセイNo.12)

I am sorry to have wearied you with so long a letter but I did not have time to write you a short one.
今日は時間があまりなく、手紙が長くなってしまいました。

ブレーズ・パスカル

哲学者のブレーズ・パスカルは言ったそうです。実に哲学的ではないでしょうか。ミケランジェロも、彫刻の分野において似たようなことを言ったといいます。

余計な贅肉を削ぎ落とし、美しい姿を見せたい!

そう思いつつも、甘いものがやめられません。noteの文章も、ついつい要らないことばかり書いてしまいます。冗長表現には気をつけていますが、的確に伝えようと思うと、どうしても文章が長くなってしまうもの……

最近の執筆依頼は、平均すると1記事あたり6,000~7,000文字が多い気がします。取材記事は「3,000文字程度でお願いします」と言われているので、削って削って3,000~4,000文字に。

3,000文字に収まらない!


じつはワタクシ、こう見えて、脱いだらすごいのです。贅肉が。つまり、短い文章が書けない体質なのです。困りました。

話は変わりますが、私の趣味は剣道。練士七段です。「練士」は称号で、昇段審査と同じく称号審査を受けて合格しなければ名乗れません。

「錬士」の称号審査では、400字詰め原稿用紙2枚以内で論文を書くという審査内容。ほかにも色々とあるのですが、メインは論文です。800文字を多いと捉えるのか、少ないと捉えるのか……

多くの剣道家にとって、800文字は多い印象のようです。

一方、私の場合は
「おい、800字なんて、少なすぎて無理だろ?」
というのが正直な思いでした。

もちろん、800文字にまとめるのに、キン肉マンが悪魔超人バッファローマンとの死闘を繰り広げるが如く悪戦苦闘したことは言うまでもありません。(←こういうのが無駄)

じつは、論文では無駄なことを一切書かなくても、書くべきことが多すぎて困りました。しかも、題名や名前などを記載すると、それだけで100文字分近くが占領されてしまいます。不法占拠で捕まえたいくらいでした。

したがって、約700文字で思いの丈を綴らなければならないという苦行。

無理!


どうやら、ほかの受審者たちは、以前誰かが書いた論文をそのまま書き写して提出していたらしい。残念ながら、陰キャの私にはそんな友達もおらず、一人で立ち向かう勇者の如く、この苦行に立ち向かったのでありました。

ちなみに、「練士」の審査で不合格になった話は聞いたことがないので、もしかしたら、適当に800文字を埋めておけば合格できるのかもしれません。多分に漏れず、数カ月後には私のところにも無事に合格証書が届きました。


そんな、短い文章に立ち向かう日がまた訪れるとは……


Xで知り合ったワタナベミツテルさんが何やら面白そうな企画をされているようでした。


『ライターとブロガーの甲子園』


意味もわからず、応募してみることに。ギグですよ、ギグ。
ギグなんて言葉、中学のときに読んだ漫画『To-y』でしか聞いたことがありません。

カッコよすぎる!!

一夜限りのギグをやってやろうじゃないか!!


喜び勇んで書いた記事が、こちら。


むずい。
むずいよ、800文字。

ワタナベミツテルさんに800文字は難しいと愚痴ったところ
「原稿用紙2枚のイメージです」
と、あっさり回答されてしまいました。

原稿用紙4枚は欲しいっす。もちろん、800文字で収められるわけもなく……

ちなみに、私がブログを始めた頃は800文字の記事でも検索1位が取れる時代。当時のノウハウにも書かれていました。YMYLなんて言葉がなかった、古き良き時代の話。

ああ、老害って、こういうこと?
今後もギグ頑張ります。

ほら、1,500文字。
原稿用紙2枚は難しいです。

お仕事ください。

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