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【年金比較】75歳支給vs60歳支給×新NISA、どっちが勝つの?

おはようございます、ひらっちです。あっという間に1月も終わりそうですね。今年は元旦から色んなことが起きすぎて、ちょっと頭が付いていけていない感じがします。平和な日常が戻ってこないかと願うばかりです。

<いつものように簡単な自己紹介です>

僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2024年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。

このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。

現在、『マイナビ農業』で不定期連載中。農業に興味をお持ちの方はぜひご覧下さい。

■新NISAが何かと話題を集めるなか…

あらためまして、ひらっちです。今日は「新NISA」「年金」あたりをテーマに書いてみたいと思います。

株価の上昇を受けて何かと新NISAが話題ですね! …と書き出そうと思っていたんですけど、最近の日経平均の爆上がりはどうやら日本人ではなく海外投資家の影響が大きいようですね。

NISA自体はそれなりに注目されていると思うので、たぶん投資を始める人は増えているはずですが、国内株の上昇に寄与していないとなると、やはり「S&P500」に連動したインデックスファンドを購入する人がとても多いということでしょうか?

最近は本当によく聞くワードになりましたもんね。投資の素人さんがこぞって米国株を購入する時代が到来するなんて。2000年代半ばからコツコツと投資を始めた身としてはなんだか隔世の感があります。令和はすごい時代です。

さて、そんな新NISAの陰に隠れるようにして、先日はこんな発表がなされました。

年金支給額が新年度から増えるよーというお話です。年金支給年齢までだいぶ先なので、個人的には「へー、そーなのね」なんて冷めた気持ちですけど、今回はちゃんとマクロ経済スライドが発動して「実質目減り」となるようなのでちょっとホッとしている、といった感じでしょうか?

それにしてもこのマクロ経済スライド、本当によくできた仕組みですよね。もちろん「政治家的に」ということですが(笑)

お年寄りには「増額」と見せかけて「実質目減り」っていう。これなら高齢者から批判が殺到!みたいなことになりにくいですもんね。

あんまり期待してはいないけれど、僕が高齢者に突入する時までなんとかまともな制度であり続けて欲しいものです。

さて、そんな年金の話題に触れて、僕はふと、こんなことを考えました。

「そういえば年金って繰り上げ・繰り下げができるけど、新NISAを組み合わせると最適解が違ってくるんじゃない?」

60歳から早めにもらい始めると、支給金額はガクンと減ります。でも、その分を早くから投資に回して長期運用できるわけで、そうなると「何歳から支給するのがベスト」という答えがだいぶ変わってくるんじゃないか?と。

皆さんも気になりませんか?

というわけで、しっかり睡眠をとって頭がキレキレの土曜日の朝、僕はせっせと計算してみることにしたわけです(笑)

■75歳支給VS60歳支給、運用まで考慮すると勝つのは一体…

さて、ここで前提となる数字をざっと見ておきましょう。

今回は分かりやすく国民年金のみで考えてみたいと思います。国民年金を満額払っている人の65歳の年金支給額は、令和5年度は月額66,250円となっています。

改めて見るとめちゃくちゃ少ないですね…。この金額では都会で生活するのはほぼ無理ゲー。しこたま貯金をしておくか、田舎で自給自足でもしない限り、どこかで詰む金額です。

‥‥と、この話は別で議論するとして、先に進みますね。

次に、繰り上げ・繰り下げ後の金額について計算します。繰り上げの最大は60歳、繰り下げの最大は75歳。それぞれの増減額は以下の通り。

【60歳への繰上げ】
減額率は24%(受取りは76%)

【75歳への繰下げ】
増額率は84%(受取りは184%)

これを元に計算すると、それぞれの金額は…、

【60歳への繰上げ】
月額5万350円

【75歳への繰下げ】
月額12万1900円

こう見るとすごい差ですね。実に2.4倍以上の金額まで増えます。そもそも年金は「長生きリスクに対する保険」ですから、その趣旨から考えると「基本的に繰り下げるのが最適解」と言われる理由もよーくわかります。

ただ、そんなに素直になれないのが人間です。大切な身銭を切るわけですから「一番得をする選択をしたい!」というのが心情ですよね。

で、こういった記事がよく出てきたりするわけです。

気になる方は色々と読んでもらえればと思いますが、おおむね「70歳くらいから支給」というのがベターな回答になるようです。もちろん人それぞれですけど。

ただ、いつも思うのは、繰り上げ支給したお金に手を付けず、そのまま投資に回したという前提では語られていないよね?ってこと。そこで60歳からもらい始めた5万円を新NISAで積み立てた場合、どんな結果が予測されるのかを、最近僕のnoteでよく登場する金融庁のサイトで計算してみました。

毎月5万円を15年間、年5%で積み立てた結果、元本は900万円、運用収益が436.4万円、トータルで1336.4万円の資産になるという計算結果に。

これを75歳の支給額(12万1900円)ー60歳の支給額(5万350円)の差額、7万1550円で割り算すると「186.7…」という数字が出ました。

60歳からもらえる年金額を投資に回した場合、15.5年、90歳くらいまでは「75歳支給」と同じ金額が手に入れられる。つまり90歳までに寿命が来るのであれば「60歳支給+新NISAの方がお得」という図式が成り立ちます。

60歳の方の平均余命は、男性は約24年、女性は約29年くらいだと言われているので、平均余命を考えると「60歳支給は世間で言われているよりもいい選択肢かもしれないね」ということになります。

なるほど~

…と、ここで「いやいや、ひらっちさん、これで終わりじゃないよね?」と思った方、なかなか鋭いですね!

そうです。60歳支給+新NISAで運用し、75歳から取り崩しを始めるパターンではその後も運用が続きます。要するに「1336万円がもっと増えていっちゃうよ!」ってことです。

というわけで、こちらのサイトで取り崩しのシミュレーションをしてみました。細かい数字までは入力できなかったのでざっくりの計算となります。

出典:野村アセットマネジメント「取り崩しシミュレーション」
出典:野村アセットマネジメント「取り崩しシミュレーション」

分かりますかね~? 75歳の時点から全く運用しない場合は、90歳で資産が底を尽き、あとは5万円ちょっとの年金でやりくりしないといけません。

ところが、75歳以降も運用しながら取り崩していけば、年5%の運用であれば、105歳までは75歳支給と同額を使うことが可能。さらにちょっと期待も込めて年7%運用ができれば、75歳支給と同額をもらっているにも関わらず、生きている限りずっと資産が増えていくことになります。

「75歳支給」の場合、まとまったお金が欲しい時に、年金を前借りすることはできません。当たり前ですよね? でも「60歳+新NISA」の場合、いつでも前借りできる機能を持っているという点で「75歳支給」よりかなり使い勝手が良さそうです。

■まとめ

いかがでしたか? あくまで机上の空論ではありますが、なかなか面白いシミュレーション結果になりましたね。

僕はあくまで「年金は長生きリスクに備える保険」という考え方なので、過度にリスクを取ったり、不確実性の高い手段を選んだりすることはお勧めしません。ただ、こうやって計算してみると「60歳支給+新NISA」という選択もなかなか捨てたもんじゃないな、と思えてきます。

もちろんこのシミュレーションは「あくまで60歳からの年金を75歳まで使わない」という前提に立っています。そのため、現実的にそれができるくらい資産がある人は「どっちでもいいよね」というのが結論かもしれません。

リスクにさらす資産をたくさん持つ余裕のある人ほど、ますます富んでいくという厳しい現実を突きつけられてちょっと切なくなりますが(苦笑)、皆さんが年金について改めて考えるきっかけになれば幸いです(^^♪

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