プロットを作り始めた。

この一年、必死にnoteを更新することもなく。また、新人賞やコンテストに応募することなく日々を送ってきた。
私は文章を書くことが好きだ。小説を書くのも好きだ。それなのに続けられない理由があることに気づいて来なかった。

理由なんて簡単だった。
それは、私自身がそれをやろうと本気で思っていなかったからだ。
世の中、気持ちが全てではないけれど、気持ちの入っていない行動が長く続くはずがない。続けるだけの理由(動機)が、私にはなかった。

小説家になりたい、と友達や家族の前で一人前に宣言しているが、実際のところはわからない。小説家になりたいという夢が、私にとってどの程度重要なのかを私は知らなかった。

どうして小説家になりたいのかを自分の心に聞いてみた。
すると、こんな答えが返ってきた。

「僕は物語の主人公に憧れているんだ。主人公みたいな、誰からも愛されて、誰よりも強くて、誰にも曲げられない強い信念を持っている主人公になってみたいと思ったんだ。でも、僕が望んだのはその物語の中の主人公であって、それになることはできない。だから、僕の想像する世界を創りたいと思った。僕が主人公で、今の僕とは正反対の、強くて逞しくて優しい男になるために」

小説を読むのが好きだった。
それは、現実世界から目を背けられるからなのかもしれない。
けど、今はもう周りとも馴染めるようになってきたし、社会に出ても生きていけるような人間性は身についてきた。

とてもいいことだと思う。それは確かにそうだ。
けれど、世の中に対する不満を解消するために小説を書いてきた私が、世の中に馴染んでしまうことは、小説を書く理由を失ったと言っても、間違いではなかった。

今後私は、何を理由に小説を書けばいいのだろう。

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