豪快野球坊ベスボル

コロコロコミックで読んだスポ根マンガで印象的なのは?と聞かれたら、僕の世代だと「ドラベース」「ミラクルボール」あたりがみんな納得のタイトルだろう。
もちろん上記タイトルも好きなのだが、別冊コロコロで連載していた「豪快野球坊ベスボル」(以下「ベスボル」)にちょっとした思い入れがある。

ここまで挙げたタイトルの全てが野球テーマなのだが、僕自身は野球が好きではない。
スポーツ観戦が全く好きではない僕にとって、打順が回るまでベンチで見ているのは退屈だったし、打たれるまでじっとポジションに立っているのも退屈だった。
常に動き回るサッカーやバスケ、バドミントンのような身体が忙しいスポーツの方が性に合っていた。
そんな中で読んでいた「ベスボル」は、僕が初めて出会った「スポーツ種目は定まっているけど試合形式では無い」作品だった。
三振するかホームランを撃つかという基本タイマンの一発勝負、そして勝ち抜けを目指すという設定が新鮮だった。
記事執筆の現在でいうと、サッカー×デスゲームで人気を博している「ブルーロック」が同類だろう。

全5巻と短く、物語も「人気だったら第二部が始まったんだろうな」というところで、特別面白かったかと言われるとちょっと疑問ではある。
しかし、野球というスポーツは結局のところピッチャーvsバッターという構図がメインなワケで、スポ根としては常にそのポジションを主人公が務めるから、試合はメイン構図が続く形になって全く見劣りしない。
必殺の魔球もあるし、勝ち負けで変わる背番号が勝ち抜けだけでなく金銭としても使えることから、人生を掛けた大勝負という形になるのも好きだった。

最終回では親の代からの因縁のライバルとの再戦になるのだが、この回のコマ割りや構図がめちゃくちゃアツくて、最終回をベースにコマをコラージュしてラミネート加工したものを下敷きとして使っていたのが懐かしい。

ベスボルの完結を以て、僕は別冊コロコロを買うのを辞めた。
確か「赤きエンザ」とか読んでいたものはあった気がしたのだが、この頃から完全な単行本派になったと思う。
今タイトル出してクソ懐かしいのだが、「赤きエンザ」ってどうなったんだったかしら。
姉貴が単行本を買ってた気がするが。

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