ビーン(映画版)

コメディー映画として世界中で人気のある作品として認知していたが、アマプラで見て初めて映画より先にドラマがあったことを知った。
ドラマまで観る気は無い。
個人的には面白さが理解出来なかったのである。
と同時に、令和の現代社会では受け入れられるものだろうかという感想も持っている。
別に僕が社会情勢に感化された訳では無い。

題にもあるビーンというちょっと変わったオッサンが主人公で、行く先々でドタバタを起こしていくコメディー作品だ。
映画では主に美術館を舞台に繰り広げられている。
細かいやらかし事案を起こしつつ、最終的には美術品の絵画を勝手に修正しようとして落描きにしてしまったりする(思えば実際にそんなニュースがあったな)。
方向性としては「スポンジ・ボブ」とか「ウォレスとグルミット」みたいな小さなキッカケが大きなパニックを生んでいく笑いで、騒動は一周回ってオチがつくといったところまで海外っぽいというか、アメリカナイズだと思った(イギリスの作品である)。

しかし、それこそが僕の中で面白いと思わなかった要因でもある。
僕はこの手の誰かがピエロになる笑いというものがどうも面白いと感じなくて、例えば日本のお笑い芸人でも「自身の容姿をネタにする」といった芸風のお笑い芸人は多く、特に女性芸人はその傾向が強いと思っている。
大層な講釈を垂れるほど僕は出来た人間ではないが、しかし他人を笑い者にするという笑い方は中学生で卒業してしまった。
笑いの部類としてはレベルが低い部類だと考えている。

僕の笑いのツボはさておき、世間一般としても今はそういった個人の特徴を指差して笑うものは忌避される時代になりつつある。
別にポリコレがどうだという思想はないが、そういった個人の特徴に関わる要素をポイントにするとどこからでも矢が飛んでくる。
劇中では変わったオッサン扱いされているビーンだが、現実的な見方をすれば発達障がいを持っているのではないかと思うし、そうでないなら所謂ボーダーと言われる知能で普段の生活を生きにくいと感じているかもしれない。
基本的にビーンに台詞は無いのだが、それも相まって余計にそんな推察をしてしまい、洗面所で水浸しになってしまうような家族や友人だったら笑ってしまうようなシーンにもこれは笑っていいものかと複雑な気持ちになる。

ただし、劇中でのビーンの表情は活き活き飄々としていて、僕が勝手に要らぬ解釈を押し付けているだけかもしれない。
とはいえ、現実にいたら色々な理由からマジで迷惑だと思うだろう。

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