HITOSHI MATSUMOTO presents ドキュメンタル
「HITOSHI MATSUMOTO presents ドキュメンタル」(以下「ドキュメンタル」)は、その名の通りお笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志さんがプロデュースしている。
お笑い番組でありながら如何に笑わないかを競い、そして笑わせる相手も同じお笑い芸人、というコンセプトが非常に面白かった。
そして地上波の呪縛から解き放たれた、何でもありのお笑い総合格闘技でもあった。
僕はあまりお笑い番組を見ない。
感情の起伏を一般人が0から100だとするならば、-50から150の幅があるくらい、僕は感性豊かであるつもりだが、なかなか表に見える形で出ないとよく言われる。
だから「めちゃ面白いな」と思ってても声を上げて笑うことが人より少なくて、故にお笑い芸人に求める笑いのハードルが高いのだと思う。
そして元より僕は奇人変人の類であるから(自覚している)、笑いのツボも一般人とズレているのだろうか、流行りのお笑い芸人があまり刺さらないこともしばしばある。
故に、お笑い番組はあまり興味がなかった。
しかし、「ドキュメンタル」がヒットしている様子を知り、どれどれと見始めたが最後、あっという間に全てのシーズンを見終えてしまった。
笑いを堪える人というのは、こんなに見ていて面白いのかと思ったし、そこからこぼれるように笑う人を見てはつられて笑ってしまう。
予定していた笑処ではない、思いがけず起きた笑いというのは不可抗力なのだと思った。
普通のお笑い番組ならしっかりウケているネタが、スベったワケでもないのにリアクションが無いという異様な空気も可笑しく見えるし、そんな空気の中でド下ネタが披露されると空気とのギャップに笑ってしまうのだ。
突然放尿するというもはやお笑いなのかただの奇行なのか分からないものも見せられてしまうし、本当にこの「ドキュメンタル」でしか見れないものがあると思った。
後にはお笑い芸人以外が挑むシリーズや、女性芸人だけ・過去のシリーズで勝ち残ったことがある人だけというテーマを持った回もある。
しかし、期待が上がりすぎていたこともあり、それらの外伝的シリーズは面白くはなかった。
いや、親方は面白かったか。